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<勝者の成功哲学 Vol.8>石渡浩さん

12月15日(金)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真:不動産投資の楽待)
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(写真:不動産投資の楽待)
大学院在学中に不動産投資を開始した、「学生大家」。これまで20億円以上を投資し、最多では250戸の物件を所有、年間家賃収入は最高で2億5000万円にも上った。総資産額は約15億円だという。そんな石渡浩さんが2016年、自身の法人について、M&Aの1つである株式譲渡を行ったことは記憶にも新しい。

石渡さんはなぜ不動産投資の世界に飛び込み、どのように規模を拡大していったのだろうか。これまでの半生を振り返り、そして不動産投資におけるM&Aという新たなステージを経て、今思っていることとは。

■株式投資より不動産投資を選んだ理由

不動産投資を始めたのは2005年。当時は大学院に在学中だった。だが、実は不動産投資以前に株や外国為替に投資し、利益を得ていたという。

「もともと、親が株式投資をやっていたという影響もあります。また、2000年ごろから手数料の安いFXやインターネット証券がどんどん増加していったことで、従前より個人投資家が利益を享受しやすくなったという時代背景も大きいです」

過去には、レバレッジをかけた取引で数百万円を失ったという失敗も経験。こうした中で、相場が上がっても下がっても損をしない、安全に儲けられる投資方法がないか模索するようになったという。そこで出会ったのは転換社債や、裁定取引といった手法だったが、これにも限界を感じるようになる。

「当時は、例えば個人投資家が裁定取引で利益を得ようと思ったら、常に場に張り付いていないといけない。自動売買なんてない時代ですから。日本の市場が終わっても海外市場もあるので、実質24時間体制で、疲れるわけです」

投資の先輩からも「若いからできることだ」と指摘された。また、裁定取引は参入者が多くなれば市場のゆがみが解消しやすくなることから、「生涯これで食べていくことはできないとわかりました」。あるいは、「株式投資は職業にはならない、無職だ」という意識もあったという。そうした中でさまざまな投資を探していた時に、不動産投資の面白さに気づいた。

「まず大家さんは職業ですし、また、株の世界、裁定取引で見受けられるゆがみの大きさより、不動産投資のゆがみの方が大きく、乖離率が良いという旨味がわかったんです」

■CFより「資産性・収益性」を重視

不動産投資歴は10年あまり。現在はアパートや戸建て、区分など51戸を所有し、年間の家賃収入は4000万円ほどだが、一時期は250戸ほどを持ち、年間で2億2000万円の家賃収入を得ていた。

そうした経験から、世にあふれる不動産投資に関連する書籍には、経費や税金を考慮に入れていないものも多いと警鐘を鳴らす。「売り上げから返済だけを引いて、手残りはいくらと計算するのはまったくの間違いです」

だが、その一方で「経費を引いて、返済を引いていくら残ると計算とするのが正しいかというと、それも正しくない。なぜなら、返済期間を長くすればあまり儲かっていなくとも、おのずとCFは出るようになっているからです」と指摘する。

返済期間を長く設定すれば、それだけ多くの利息を支払うことになるのは当然だ。「返済期間が短くても余裕を持って返済できるような投資をすることが重要です」

こうした考え方のもと、これまでの不動産投資においてもCFではなく、その物件の資産性や収益性をより重視してきた。意味するところは、売却までを含めた、投資全体を累計した利益を考慮するということだ。

「物件を持っている時に利回りが高かったとしても、売るときに安くなってしまっては意味がない。1億円で購入した物件を数年後に残債で売ったとして、それまでのインカムゲインがあるにせよ、その投資には意味があるのでしょうか。1億円で購入した物件なら、売却時には1億円、あるいはそれ以上で売れるということが重要で、投資全体に対する利回りが高い投資をしなくてはいけません」

自身で考える1つの指標として、IRR(内部収益率)の計算式に当てはめて判断しているといい、「少なくとも金利よりIRRが高くないといけないと思います」。

■半分空室物件を埋めた経験から学んだこと

「2億円くらいの価値の土地に、2億円くらいかけて地主さんが建物を建てた物件を買ったことがあります」と振り返る。

思い出深いその物件は、私鉄ながら駅から徒歩2分の好立地だったにもかかわらず、半分以上が空室のままだった。「せっかく価値のある土地なのに、建物を建ててしまい、そして賃借人がいないことで著しいほどその価値を下げてしまって、もったいない」と思いながらもこの物件を約1億8000万円で入手。好立地も相まって、空室はすぐに埋まったという。

「そもそも空室だった理由は、退去が出ると退去したままの状態で、リフォームなどをしていなかったんです。入るわけがないですよね。前の所有者がきちんと管理していないがために価値が下がってしまっていたんです」

資産性を大事にする観点から、現状でガラガラの物件でも「潜在的に埋まる可能性のある物件なのかどうか」と見極めた投資を行っている。「しっかり修繕された綺麗な物件、さらに募集をかけているのにもかかわらず埋まっていない物件は厳しいですよね。ですが、工事されていないとか、募集広告が十分に出ていないという理由なら、空室が埋まる可能性は感じます」。また、地域状況を判断する1つの要素として、最寄り駅の乗降客数も気にしているという。

■融資の引き方に気配り

規模を拡大していく上でのアドバイスは、「時期を空けて投資した方が良い」ということだ。一時にすべての財産をつぎ込んでしまえば、次にやってくる「買い時」にこれ以上買うことができない、という事態も起こり得る。「相場が下がった時に買う力を残しておかないともったいないですから。今、全力で買うということではなく、将来下がることも予期して、時間をおいて買うことも重要だと思います」

とはいえ、自身は「どんどん買っていきましたけどね」と顧みる。ただ、それは融資の引き方にも気を配ってきたからだ。「銀行の評価額の範囲内で融資を受けてきたので、信用を傷つけないんです」。自己資金を入れ、信用力を保ったまま賃貸経営を行うことで次の融資も受けやすくなると話す。

融資を引けないと悩む投資家も多いが、「今は物件の価格が高いのに、そこまで融資額を引き上げようとしているから引けないんじゃないでしょうか」と指摘する。「銀行の評価額より物件価格が高い時、自己資金を入れて買うかどうか。そこは自分自身の判断になります」

自己資金がなくても不動産投資は始められるというが、「それでもお金はないとだめですよ」とくぎを刺す。「手付金がないとそもそも契約できないですし、買った後には不動産取得税もかかりますし、また、修繕にも下手すれば100万円は飛んで行ってしまう。手付を乗り切ったとしても、買った後に支払えなければ困ってしまいますよね」。

フルローンが出たからとは言え、お金がなくていいというわけでは決してない。また、中古の物件であれば「売主は修繕費がかかって面倒だからその物件を売るわけですから、壊れることは当然だと思って覚悟して買わないといけないです」と話す。

■「会社を残したい」……株式譲渡を経験

不動産投資の面白さの1つは、「感情が入り込む余地があること」だとも考えているという。「株の世界だと相手の顔が見えませんし、交渉が出来ません。すべては値段で決まります。しかし、不動産では価格交渉ができる。それも相手の顔が分かって、さらに売主・仲介会社・買主の3者あるいは4者の意向や気持ちで売買金額に影響があり、感情で値段が動くということで利益もとりやすいと思います」。

経験を通して、単に高い値段がついたからと言って売らない売主も意外と多いことに気づいた。建物を大事に経営してくれる買主を選びたいという人がいたのだという。こうした、この買主には売りたくないという売主の感情や、この売主のためになんとか成約したいという意向を持つ仲介会社など、こうした気持ちが伝わりやすいのが不動産売買だという。

こうした売主の感情を、実際に自分でも経験した。それは、自分の法人をM&Aで売却した際のことだ。「実際に自分が売る側になってみて、こういう人に売りたい、こういうところには売りたくないという気持ちがよくわかりました。売った後に私の会社がどうなるのか。自分はお金をもらうだけですが、そのあとがすごく気になるんだということがわかりました」

2016年、M&Aのアドバイザー銀行を通して、上場企業グループに自身の資産保有法人の株式譲渡を行った。その代金は4億9200万円。売却した理由は投資全体の利回りを考慮に入れ、市況が高い時に所有物件を売って利益を得たいと考えたから。単なる不動産の売却を行わなかったのは、「会社を残したい」という思いからだ。

■法人売却は「失敗」!? M&Aのその後を激白

しかし、この法人の売却は、現在一番の失敗になってしまったという。「私はお金と引き換えに、すべてを失ってしまいました。少なくとも、最終的に契約したアドバイザーに任せて会社を売ったことは失敗で、自分にとってもっといい選択肢があったんではないかと思っています」

もともと、法人の株式譲渡を行った後も、自身は会社に残って仕事を続けることが前提にあったという。しかし、譲渡後の新体制における石渡さんの役職は「名誉会長」。業務にかかわることはできなかった。

「私がアドバイス契約を結んだ銀行が誠実ではなかったこと、買主が非常にビジネスライクだったこと、そして、自分の意向に関連して、契約で十分に買主を縛らなかったということが理由ではないでしょうか」

不動産投資家が法人を設立して投資を行うことが多い時代だが、この先、こうした法人のM&A自体は増えていくと考えている。「不動産を売ってしまった法人を残しておいても意味がないですし、そこにお金を置いておいても生かしきれない。それより、個人としてお金を得たいと思うなら所有する法人の株を譲渡したほうが目的にかないます」

そうした際には「きちんと自分の意向を反映してくれる、信頼のおけるアドバイザーに頼む必要があります」と経験から語る。「M&Aのアドバイザーの報酬は成功報酬です。取引がそこまで多くない現在、報酬を得たいがために早期制約優先になる担当者や会社もいます」。売主(自分自身)の意向を明文化して証拠として残しておくなど、事前の対策が必要だ。

「M&Aの契約は、不動産の売買契約よりずっとオーダーメイドです。瑕疵担保責任や簿外債務について、保証範囲をどうするのか。売却代金を減らしても今後一切かかわらないとするのか、売却代金を高く得るためにある程度保証範囲を広げるのか。こうした取り決めを事前にしないといけません。のちのち売主の意向に反して売ったことがわかると、紛争に発展してしまうということをきちんと相手にわからせる目的もあります」

■不動産投資家は主体的であれ

今まで一通りの投資を経験し、さらに資産も十分に築いた。今後は他の投資家にノウハウや資金を提供していきたいという。

「今は物件価格が高いですから、物件を買うにはいい時期じゃありません。とはいえ売る物件もあまり残っていないので、今後は他の不動産投資家の法人に出資していきたいと考えています」

こうした新たなステージに行く理由は、自身のノウハウを欲しいと思っている投資家の役に立ちたいという思いと同時に、リスクを取りたくないという本音もある。「相場が下がれば物件を買ってもいいですが、今はあまりリスクを負いたくないんです。リターンが低くても、リスクが低い投資をしていきたい」

これまで10年の不動産投資経験で、多くの投資家の浮き沈みを見てきた。そこから言えることは、「成功する人は、熱心な人」だということ。不動産投資という仕事に対して、精神的にも、時間的にも注力できる人が成功をつかんできたと考えている。

「この物件がいいと勧められた物件を買い、買った後は管理会社にすべて丸投げという人。主体的ではない人。受け身の姿勢で事業をして成功している人を、私は知りません」

たとえサラリーマンの投資家で、本業がほかにあったとしても、いざというときに行動できるかどうかは非常に重要だ。「何かおかしいと思ったときに、普段は管理会社にお任せであっても、その時には大家業に時間が割けるかどうか。安くもない物件を勧められたまま買って、言われるがまま管理費や修繕費を差し引かれた金額を振り込まれるのを待っているだけでは、当然利益は減りますから」

学生大家に始まって総資産15億円を築き上げ、M&Aによる法人売却とその反省、そして他の法人への出資―。石渡さんは、不動産投資の新たなステージをけん引している。

○石渡 浩さんプロフィール

神奈川県生まれ。大学院在学中に不動産投資を開始、年間家賃収入は最高で2億2000万円にのぼった。総資産額は15億円。現在はM&Aで自身の法人ごと売却、51戸を所有している。著書に「たった4年!学生大家から純資産6億円を築いた私の投資法 借りて増やす技術」(ソフトバンククリエイティブ)など。

■ぶっちゃけ本音トーク

出資したい会社は、リターンが見込める会社です。そこは商売ですから。高値掴みをしていなくて、割安に物件を入手して合理的に経営している会社ですね。 物件のエリアを見る時には、駅を指標にすることもあると思います。利用されなくて、廃止されるような駅の近くは難しいですよね。

■こんなこと聞いてみました

Q.趣味は何ですか?

A.「探求」ですかね。興味のあるものごとに対する探求。今一番関心を持っているのは、会計とか税法とかの分野です。

Q.今の生きがいを教えてください。

A.生きがいとまでは言えないかもしれませんが、新しい知識を得たり、その知識に基づいて考えたりすることは楽しいです。自分は「知欲」が強いのかな、と考えています。

Q.無人島に3つ持っていくとしたら?

A.発電機と、パソコンと、水のろ過装置……と思いましたが、パソコンだけ持って行っても、インターネットに繋げられないと意味がないですね。やっぱり、発電機と、パソコンと、インターネットに繋げるための無線装置にします。パソコンは必需品です。農業や漁業をして、しばらくはいいかもしれませんが、そのうち飽きてくると思います。何もしないでぽかんと暮らすのは暇になってしまうと思うので。
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:12月15日(金)20時00分

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