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スパコンベンチャーの助成金詐欺、支援のあり方を再検討する必要も

12月14日(木)12時26分配信 THE PAGE

 スパコン開発の旗手といわれたベンチャー企業の社長が詐欺で逮捕されるという驚くべき出来事がありました。政府はベンチャー振興という観点から多額の助成金を企業に提供しています。今回の事件では、その助成金が悪用された可能性があるとのことですが、いったいどういうことなのでしょうか。
(アフロ)
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 逮捕されたのは、スーパーコンピュータの開発ベンチャー「ペジーコンピューティング」の齊藤元章容疑者と元幹部の鈴木大介容疑者の2人です。両容疑者には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が提供した助成金約4億3100万円をだまし取った疑いが持たれています。

 政府はベンチャー振興という観点から、NEDOなどの組織を通じて多額の助成金をベンチャー企業に提供しています。同社はデバイスの開発計画をNEDOに提出し助成金を得ているのですが、上限いっぱいまでお金を受け取るため、事業費を水増ししたとされています。

 一般的にこうした助成金を得るためには、あらかじめ決められた書式にしたがって申請書を書く必要があり、書類の条件を満たしていれば資金が下りる仕組みになっています。資金が提供された後も、すべての支出について日常的に細かいチェックが入るわけではありませんから、こうした不正が表面化するというのは珍しいケースです。

 助成金に詳しい関係者の中からは「内部告発でもなければなかなか発覚しにくいのではないか」との声も聞かれます。一部では、内部告発による税務調査が発端になったとの報道もありますから、その可能性はそれなりに高いとみてよいでしょう。
 こうした開発型ベンチャーの場合、すぐに収益につながるものではありませんから、政府からの助成金が頼りというところも少なくありません。

 一方で、こうした開発業務は状況が常に変化するものであり、計画通りに進むことを大前提にした役所の助成金とはカルチャーが合わない部分もあります。事業費水増しが事実であれば、国民の税金をだまし取ったわけですから、到底、許容される行為ではありませんが、ベンチャー企業の資金の動かし方と助成のあり方に乖離があった可能性も考えられます。

 単純にお金が欲しかったからなのか、別の組織や人物に資金が流れているのか、あるいは資金繰りの調整上、結果的に詐欺になってしまったのか、真相の解明が待たれるところです。

 日本や中国では政府がベンチャー企業を支援するのは当たり前ですが、米国や欧州では国防分野を除くとベンチャー企業への投資は基本的に民間のリスクマネーが担います。

 その理由は予算から決算という流れで予定調和的に進む役所の手続きと、臨機応変に行動する必要があるベンチャー企業の手続きがあまりにも違っているからです。政府のベンチャー支援のあり方についても再検討が必要かもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:12月19日(火)5時52分

THE PAGE

 

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