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利回り43%、凄腕女性大家のルーツは台湾の母

12月7日(木)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© Yusei-Fotolia)
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(写真© Yusei-Fotolia)
大阪府に住むハンドルネーム「みかりん」こと中山美華さんは、日本人の父と台湾人の母を持つ兼業大家さん。9棟の物件を所有し、年間家賃収入は約600万円、利回りが43%を超える物件もあるという。

そんな中山さんに、関西在住の女性大家さんとともに、中山さんのルーツである台湾の高雄を案内してもらった。現地では台湾の不動産業者とホームセンターを訪れ、不動産事情を取材。彼女が台湾の母から学んだ投資術についても話を聞いた。

■既存入居者に交渉で家賃5000円アップ

現在、大阪府堺市や松原市近郊に9棟のテラスハウスや戸建てを所有しているという中山さん。5年前にはRCの一棟マンションも購入したが、2年前に売却し、購入金額の倍以上の売却益を得た。

彼女が不動産投資を始めたきっかけは、12年前の自宅の住み替え。3人の娘が大きくなり、自宅が手狭になったため売買と賃貸の両方で出したところ、バブル期に高い金額で買っていたために売買での申込は入らず、賃貸の申込が入った。自宅としての購入時点ですでに築40年だったが、風呂以外は改装しなくて良い状態のきれいな物件だったため、賃貸に出す時もあまり傷みがなく、ほとんどリフォームせずに貸すことができた。

しかも、2009年のITバブルが始まった頃には、「世の中の景気が良くなった気がしたので、冗談のつもりで不動産仲介会社に『家賃アップできないかな~』と言ったら本当に交渉してくれて、家賃6万円から5000円も値上げしてくれました(笑)」という。

特筆すべきなのは、新しく入居する人ではなく、すでに入居している人に5000円の賃料アップを認めさせたことである。ちなみに入居者は子供の元同級生の家族で、今も6万5000円の家賃のまま住み続けてくれているという。

店子が子供の知り合いだと賃料アップは余計に言い出しづらいところだが、中山さんの場合大家自身が交渉するのではなく、仲介業者さんに冗談を交えて明るくお願いしたことが成功につながったようだ。

■ゴミ屋敷そば……利回り43%のテラスハウス

元自宅以外の8棟のテラスハウスや戸建ては、110~500万円で購入し、リフォーム代はどれも50万円以下だという。実質利回りは最低でも15%で、110万円で買ったテラスハウスはなんと利回り43%だ。

これは大量のゴミをため込んだ、近所でも有名な通称「ゴミ屋敷」のすぐそばだった。知り合いの不動産投資家たちが何人も購入するのを怯んだと後で知ったが、中山さんは気にせず購入に踏み切った。

買った理由は、ゴミ屋敷から異臭がしなかったこと、ゴミ屋敷の住人が敷地からゴミがはみ出さないように紐で線引きしていたこと。また、物件の間取りがファミリーでも十分に住める広さで、バルコニーは快適に洗濯物が干せるほど広く、水回りもきれいでリフォーム代があまりかからないと予想できたこと、そして築古の再建築不可の相続物件だったため110万円と安かったことだ。

購入後、工務店に依頼して天井と壁にクロスを貼り、3畳和室と3畳洋室をつなげて6畳の洋室にし、キッチンの入れ替えといった簡単なリフォームを約42万円で仕上げてもらった。家賃は5万4000円。近所のゴミ屋敷には今もゴミがあふれていて、最近、知り合いの不動産業者が恐る恐るすぐそばの物件を購入したが、中山さんの方が「大丈夫ですよ~」と激励してあげているという。

彼女の物件購入ルールは、まず1つめに水回りのきれいな物件を選び、50万円ぐらいのリフォーム費用で抑えること。2つめは、購入した物件の家賃設定をまず行ってから、リフォーム内容を考えることである。例えば家賃を6万円に設定した場合、ネットでライバル物件をチェックし、同程度が少しきれいにするぐらいのリフォームしか行わないという。

「最近、知り合いの大家さんたちの物件を見せてもらうと、設定家賃に対してリフォーム代をかけ過ぎているような気がします。私の場合、50万円のリフォーム代は工務店に頼んでいる金額です。DIYとして自分でやると、時間もかかる割にそんなにきれいにできないし、第一、家族の幸せのために不動産投資を始めたのに、家族との時間を犠牲にするのでは意味がないと思うのです」

■売り時見極め、1棟モノ売却成功

5年前には、5階建てRCマンションを2857万円で購入。1階が駐車場、2階が事務所、3階から5階の各階に3DKが1戸ずつ。

いつものようにリフォームはほとんどしなかったが、空室だった5階を借りたいと言ってきた入居者は「好みのクロスを貼りたいから」と、3DKのリフォームを全部自己負担でしてくれたという。  マンションの1ケ月の家賃収入は約32万円で、実質利回り12%。順調に回っていたが、2年前に4700万円で売却し、約3年分の家賃収入と売却益を手に入れた。

売却理由は、今の市況なら高値で売れると思ったことと、もう一つは、屋上防水がもうすぐ切れて大規模修繕が必要になりそうな時期だったからだ。

「後日談ですが、去年ネットを見ていると、私が売ったマンションが5800万円で販売されていました。ところが売れなかったのか、最近見ると私が売ったのと同じ値段に下がっていました。売り時を誤らず良かったと思います(笑)」

■不動産投資は家族の幸せのために

中山さんはパート勤めをしているが、彼女の場合は「パート勤め」を選んでいると言った方が正しい。雇用主からは幾度も正社員になることを勧められているが、時間の融通が利くパート勤務の方が便利だからだ。

また、台湾に小学生までいたことや、大阪でも台湾系のインターナショナル・スクールに通っていたことから、中国語と英語の通訳としても働き、10年前に大阪で開催された世界陸上大会参加選手の通訳を務めたこともある。

取材中、中山さんからは「不動産投資は家族の幸せのためにやっている」という言葉が何度も出てくる。彼女のいまの夢は、自宅近くにある全空室の軽量鉄骨のハイツを購入して、小さな子供を持つシングルマザーたちが入居できるようにすることだ。10戸のうち1戸を共同スペースに改装し、母親達が働いている間、子供を預かったり、一緒に遊んで過ごしたりすることができる場所にしたいという。

「以前、私の物件に入居したいという小さなお子さんを持つシングルマザーの方がいたのです。ただ、テラスハウスは構造上、戸建てよりも隣に音が響きやすいため、残念ながらお断りしました。そのことがとても悔やまれたので、ぜひ高齢の地主さんから全空室のハイツを買って、運営したいんです」

■自力で簡易宿所許可

中山さんは6人姉弟だが、ほとんどが大阪に住みながら不動産投資をしている。特に2番目のお姉さんが一番活発だ。住居用は入退去時のリフォームが面倒だといい、これまでは借主が自分で改装してくれる店舗などテナント系物件に特化していた。ところが、いくら店が繁盛していても、店主が病気で店を畳むことが何度か続いたことから、それならばと自らゲストハウスの開業を目指した。

元・店舗物件のテラスハウスには最初からカウンターがあったのでそのまま生かし、簡易宿所の許可申請も自力で取得したという。コンサルタントなどの業者に頼むと結構な費用がかかってしまい、結局儲からないためだ。馴染みの工務店に居室の寸法やコンセントの数、配管の位置など図面を書いてもらい、消防署に最寄りの消防設備業者を教えてもらって直接発注し、保健所や消防署、建設局などの検査を何度も受けて、やっと半年後に許可が下りた。

無事に、大阪市住吉区にゲストハウス「我孫子之家」を今年オープンさせることができ、いまは目が回るほど忙しいそうだ。ゲストハウスはシーズンによって収入の差が激しいが、2階建ての一棟貸し切り(居室3室)として、今年8月の売上は10日間の稼働で50万円。大阪の観光地・通天閣や新世界から6km、大阪市営地下鉄御堂筋線あびこ駅から徒歩3分という便利なロケーションと、自宅で過ごしているような快適さがポイントのようだ。

中山さん曰く、「すごくきれいに改装されているわけではないですが、なぜか人気らしいです。ただ、あまりに殺風景なので、装飾として着物でも飾ったらと言ってあげました(笑)」

■中山さんの案内で台湾の不動産市場を探る

そんな彼女を案内役に、関西在住の大家さん仲間とともに台湾を訪れた。

台湾は九州と同じくらい大きさの島で、南シナ海に位置する。関西空港から高雄までは約3時間30分。遠いように思えるが、石垣島から飛行機で約1時間なので案外近い。

台湾は気候が温暖で過ごしやすく、島国なので気質も日本人と似ている。そのうえ台湾人は親日家なので、日本人には特に親切だ。日本が統治していた時期があったため、高齢者は日本語になじみがあり、中国語圏の中では日本語が通じる割合が高い。タクシーに乗ると、運転手は台湾の日系企業を定年退職した男性で、流ちょうな日本語で応対をしてくれた。

台湾のホームセンター「特力屋」に行ってみると、パナソニックの温水便座やリンナイの給湯器など、日本でおなじみの製品がズラリ。便座に犬や蝶、風景の柄などを貼り付けた、かわいらしい製品が目立った。

台所につけるLEDの薄型照器具やおしゃれなシャンデリアなどは、日本より若干安く販売されていた。試しに購入しようとしたが、電球ソケットの口金が日本規格のE26ではなくE27だったため、やむなく断念。帰国後、ネットで変換アダプターが購入できることがわかったが、照明器具に強い大家さんによると、LEDのランプはソケット部分に電源を入れているため、熱が溜まると早くランプ切れが起こるかもしれない、とのアドバイスがあった。海外からは安く商品を仕入れられるが、注意が必要だ。

■台湾のお風呂&キッチン事情

中山さんによると、台湾は暑いためか、バスタブがなくシャワーだけの家が多い。ホームセンターで、子供が行水するより深めのバス桶やシャワー用の小さい瞬間湯沸かし器が販売されていた。壁紙は90cm幅で売られていて、安価だったので友人大家さんは購入。台湾ではエコバック持参が普通と事前に中山さんから聞いていたものの、まさかホームセンターでもIKEAのように持参しなければいけないと思わなかったので、たくさん買い物をした大家さんは大きな袋も購入していた。

台湾は外食とタクシー乗車料金が日本に比べて安かったが、それ以外はだいたい日本と同レベルの物価である。あちこちにカラフルな寺社仏閣があり、夜遅くまで灯りが煌々と照らされ、参拝客が祈っていた。熱帯地方なので果物も豊富で、24時間営業の大きな果物屋ではグアバやパパイヤ、ワックスフルーツ、スターフルーツ、シャカトウなど色とりどりの果物が何十種類も売られている。

外食は安く、買って帰ることも手軽なため、基本的にキッチンはあまり大きくないことが多いという。

■台湾の不動産市況

その後、街中に多店舗展開している「台慶不動産」の店舗を来訪し、高雄の不動産状況を聞いてみた。応対してくれたスタッフの陳さんによると、台湾でも短期譲渡と長期譲渡(2年~)では税金が違い、台湾人の不動産投資家は区分マンションではなく、土地がある一棟マンションを好むケースが多い。

中華圏の人は土地に価値があると考え、土地が大好きだが、社会主義の中国では土地は国のものであって一般庶民が買うことはできない。台湾は日本と同じく土地から買えるため土地付きの物件が好きで、例えば自宅を購入するにしても、日本の高齢者のように、いくら駅が近くても区分マンションには興味がないという。

諸費用については、一棟モノでも区分でも司法書士の謝礼はあまり変わらず、銀行のローンは築年数が古くても20~40年間借りられるそうだ。そして、返済方法も元本分を払わずに利息分だけ払ってもいいとのこと。物件価格は、台北に比べると高雄は約半額。台北の物件は高価すぎる。最近、日本の物件を購入する台湾人が増加しているようだが、日本の物件を買っているのは台北の投資家たちだろうと推測される。

■台湾は家賃が安い点に注意

実際、店頭に貼られていた物件について詳しく聞いてみると、1つは団地タイプの区分マンションで、4部屋+トイレとお風呂が2つずつ、21坪298万台湾ドル(日本円で約1192万円)だった。他の物件に比べて安く感じたのは、築年数が古いからのようだ(1台湾ドル=約4円で換算)。

もう一つ、一棟RCマンションは建坪110坪で、ワンルーム18戸で4280万台湾ドル(約1億7120万円)。高雄の駅に近く、いま台湾でも流行っている民泊にも5戸ほど転用すれば「利回り9~10%になる」と陳さん。

そう聞いて、同行していた大家さんたちは色めきたったが、後ほど想定賃料で計算したところ、民泊を想定に入れても5%ぐらいにしかならなかった。不動産会社にありがちな営業トークで少し数字を多めに盛っていたことと、家賃設定が1部屋7000~1万台湾ドル(2万8000円~4万円)と日本よりも低めだった。台湾では外食と同様に家賃相場も安いようだ。

■バイタリティ溢れる母から学んだ不動産投資

中山さん姉弟の不動産投資熱は、彼女たちの母から受け継がれたものだという。そんな母親は夫(中山さんの父)が病になった時、自分1人で6人の子供を育てていかなければならないという不安が芽生え、その不安払しょくのために不動産投資などのビジネスを始めたという。

当時住んでいた高雄の問屋街の一角に、屋上付き2階建てのRC物件を建てて1階の2部屋を賃貸に出したり、屋上を改装して養豚業を始めたり…。現在、この物件は築50年を超えているが、さらに3階建てに改築し、外壁もサイディング貼りにして、一棟まるごと洋服店に店舗付き事務所として貸し出している。日本円で月約30万円の賃料が入ってきているという。

中山さんがそんな母から学んだ台湾式不動産術は、既成概念にとらわれずに豚を飼育するなどチャレンジすること、法律を知ってゲストハウス開業などに対応する知識を蓄えること、近所のおしゃべり会であっても情報収集は怠らないこと、常にコストパフォーマンスを意識し、自己満足に陥らないこと、そして、家族の幸せが一番であることだ。

○取材協力
大家・通訳・パートのおばちゃん マルチ主婦の不動産投資日記 夫婦で不動産投資 http://blog.livedoor.jp/happy19happy/
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:12月7日(木)20時00分

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株式会社ファーストロジック

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