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欧州で懸念される「2つのドミノ」に警戒!美子さんが注目している意外な通貨って…!?

11月23日(木)14時01分配信 ザイFX!

■英ポンドの「通貨の天秤」はどうなっている?

最新版の「英ポンドの天秤」
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最新版の「英ポンドの天秤」
 Brexit交渉の難航や利上げによる個人支出の低迷、通貨安による物価高、それに企業の英国流出など、暗い話ばかりの英国。短期的な乱高下はあっても長期的な上昇余地は限定的なのかも。

 「私の書籍でも紹介した『通貨の天秤』で考えても、ファンダメンタルズ、とくに政治の部分で売り。

 金融政策は引き締めというより正常化にすぎないし、利上げ余地も少ないことを考えると、英ポンドの天秤は売りの側に傾いていますよね」

■欧州で懸念される「2つのドミノ」とは?

写真はカタルーニャの独立を求めて実施されたデモの様子。その後、旗振り役となっていたプチデモン前カタルーニャ州首相はベルギーへ出国していた (C)David Ramos/Getty Images
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写真はカタルーニャの独立を求めて実施されたデモの様子。その後、旗振り役となっていたプチデモン前カタルーニャ州首相はベルギーへ出国していた (C)David Ramos/Getty Images
「独立ドミノ」と「離脱ドミノ」、2つのドミノを警戒する松崎さん。これが波及していくとユーロの不安要因になるそうだ
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「独立ドミノ」と「離脱ドミノ」、2つのドミノを警戒する松崎さん。これが波及していくとユーロの不安要因になるそうだ
 じゃあ、離脱される側のユーロはというと、こちらも明るい材料はない。懸念されるのは独立ドミノと離脱ドミノ、2つのドミノだ。

 「カタルーニャ情勢は日増しに悪化して驚かされましたが、注目してほしいのが独立運動の旗を振っていたプチデモン前カタルーニャ州首相がベルギーに出国していたこと。

 ベルギーのフランダース地方は独立機運が高まっている地域。ベルギー政府は寝た子を起こしてほしくないでしょう」

 スペインでも独立運動が懸念される地域がある。

 「スペインのバスク地方では以前から独立運動がくすぶっています。『独立ドミノ』のような形で波及していくとユーロの不安要因ですよね」

 さらには中欧でも火種が。

 「ポーランドやハンガリー、チェコ、スロバキアの4カ国は仲がよく、『ヴィシェグラード・グループ』を形成しています。

 10月に行われたチェコの総選挙で反EUのポピュリズム政党が大勝しました。ハンガリーでも反EUへの機運が高まっています。

 きっかけは難民問題です。この2カ国に感化され、ヴィシェグラード・グループ全体が反EUに染まっていくことも考えられます」

 ポーランドの通貨、ポーランドズロチはFXプライム byGMOが2018年1月20日からの取り扱い開始(予定)を発表するなど、隠れた注目通貨。ザイFX! でも以前に取り上げたことがある。

■「マクロン効果」と「メルケルのつまずき」

仏製造業・サービス業PMI
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仏製造業・サービス業PMI
 さて、こうした離脱ドミノを食い止めようと必死なのがドイツやフランス、それにイタリアだ。

 「先日の選挙で苦戦したのがメルケル独首相。EUの中心であるメルケルのつまずきは懸念材料です」

 「欧州の落第生」と美子さんに言われていたフランスとイタリアは? 

 「フランスは『マクロン効果』が出ています。PMI(購買担当者景気指数)が上昇傾向で、マクロン大統領も統合の深化をめざして頑張っている。落第生からイチ抜けた感じがあります。

 イタリアはというと、来年(2018年)春の総選挙を前に、選挙法の改正を進めているのがプラス材料。前回総選挙で注目されたポピュリズム政党『5つ星運動』の政権獲得が難しくなり、政治的な不安材料は払拭されつつあります。

 ただ、イタリアは銀行の不良債権問題が深刻。破たんせずに解決できるのかどうかが気がかり。落第生から抜けるのはもう少し先になりそうです」

■政治不安はありながらも「ユーロは買い」

松崎さんのユーロに対する目線は「買い」。政治不安はあるとしながらも、今年(2017年)はずっとユーロ/英ポンドの買いで攻めているそうだ
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松崎さんのユーロに対する目線は「買い」。政治不安はあるとしながらも、今年(2017年)はずっとユーロ/英ポンドの買いで攻めているそうだ
 独立と離脱の不安はありながらも、美子さんのユーロに対する目線は「買い」だ。

 「政治的な不安がありながらもテーパリング(※)へと動き出したことが大きい。

 景気を見ても2017年のGDP予想はプラス2.2%。主要国の中ではアメリカに次いで景気がいい。

 今年(2017年)はずっとユーロ/英ポンドの買いで攻めていますが、BOEやECB(欧州中央銀行)の金融政策に大きな変更がないかぎり、買いの継続でいいかなと思っています」

(※編集部注:「テーパリング」とは、量的緩和政策により、進められてきた資産買い取りを徐々に減少し、最終的に購入額をゼロにしていこうとすること)

■ユーロ/英ポンドのチャートポイントは?

ユーロ/英ポンド 週足
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ユーロ/英ポンド 週足
 「ユーロ/英ポンドは0.83ポンドから0.88ポンドのレンジをいったん上抜けたのですが、抜けきれずに戻ってきたところです。0.88ポンドを明確に上抜けできるかどうかですよね」

(※編集部注:この取材は10月31日(火)に行なっています。ユーロ/英ポンドは11月15日(水)に一時0.90ポンドの大台を回復する場面が見られましたが、その後、0.89ポンド台へ反落しています)

■英ポンド/円は米ドル/円次第か

英ポンド/円 週足 (出所:ザイFX!)
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英ポンド/円 週足 (出所:ザイFX!)
 日本で取引する人が多い英ポンド/円の見通しはどうだろうか。

 「基本的には138円から150円のレンジと見ています。難しいのはクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は米ドル/円の影響を受けること。

 米ドルがどうなるのか、○○ショック的なリスクオフがあるのかどうかで変わってきますよね」

■美子さんが今注目している意外な通貨ペアとは?

松崎さんが注目している通貨 ペアが米ドル/スイスフラン。 そして、米ドル/スイスフランの上昇のカギを握る通貨ペアは…
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松崎さんが注目している通貨 ペアが米ドル/スイスフラン。 そして、米ドル/スイスフランの上昇のカギを握る通貨ペアは…
米ドル/ユーロ(上)と米ドル/スイスフラン(下) 週足 (出所:ザイFX!)
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米ドル/ユーロ(上)と米ドル/スイスフラン(下) 週足 (出所:ザイFX!)
 もうひとつ、美子さんが注目している通貨ペアがある。

 「上に抜けようとしている米ドル/スイスフランです。チャートを見ていただきたいんですが、ユーロ/米ドルの上下をひっくり返すと、米ドル/スイスフランとよく似た形になるんですね」

 ザイFX! だとユーロ/米ドルだけでなく、米ドル/ユーロのチャートも表示できるので比べやすいはず。

 参考までに米ドル/ユーロと米ドル/スイスフラン、2つのチャートを並べると、以下のようになる。

 「ユーロ/米ドルがヘッド&ショルダー(※)になって下抜けしたのと同じタイミングで米ドル/スイスフランも上昇しています。

 このまま上抜けるようだと、上昇余地は大きそうです」

(※編集部注:「ヘッド&ショルダー」はチャートのパターンの1つで、天井を示す典型的な形とされている。人の頭と両肩に見立てて「ヘッド&ショルダー」と呼び、仏像が3体並んでいるように見えるため「三尊」と呼ぶこともある)

■スイス中銀の介入と市場の「オートブレーキ」

ユーロ/スイスフラン 週足 (出所:ザイFX!)
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ユーロ/スイスフラン 週足 (出所:ザイFX!)
 ただ、スイスといえば、2015年のスイスショックが頭をよぎる。チャートを見ても、ショックの爪あとがはっきり残されているわけで……。

 「SNB(スイス国立銀行[スイスの中央銀行])が注目しているのはユーロ/スイスフラン。

 いまだにスイスフラン高が急速に進むとスイスフラン売り介入を行なっています。

 そのため、ユーロ/スイスフランは下落が急になると『自動運転』のようにブレーキがかかるんです」

 市場の「オートブレーキ」があるならば、スイスフラン売りのポジションは安心感がありそう。

 注目イベントが多い英国と欧州。普段、米ドル/円を中心に見ている人も英ポンドやユーロ、スイスフラン、それにポーランドズロチなどに目を向けるとチャンスが広がりそうだ。

(取材・文/ミドルマン・高城泰 撮影/和田佳久 編集担当/ザイFX! 編集部・庄司正高)
ドル・円・ユーロの明日はどっちだ!?

最終更新:11月25日(土)14時41分

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ザイFX!

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