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居住スペース9平米の「無印良品の小屋」

11月20日(月)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真:不動産投資の楽待)
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(写真:不動産投資の楽待)
極端に狭い物件からリゾートマンションまで、不動産の市場には様々な物件が出回る。所有する際には、その物件にどんな人が入居したいと思うのか、どんなニーズがあるのかを想定し、適切な空室対策を行う必要がある。

そんな中、一風変わった物件の販売が開始されている。無印良品を展開する良品計画の「無印良品の小屋」だ。価格は1棟約300万円。居住スペースと縁側だけのシンプルな間取りで、水道や電気はついていない。2017年11月からは個人にも販売対象を拡大している。果たして、どのような暮らしを想定しているのか。そこに居住したい、購入したいというニーズはどれほどあるのか。開発を担当した良品計画の高橋哲さんにお話を伺った。

■開発の背景は「小屋を建てる土地の活性化を期待」

高橋さんは開発の背景を、「単に小屋という商品を作るのではなく、実際に建てる土地の活性化も考えています。新しい暮らしが始まれば、土地とのつながりも生まれます。そんな期待を込めました」と語る。これが小屋のコンセプトを「はじまりの小屋」とした所以だ。

そんな無印良品の小屋は千葉県南房総市にある「シラハマ校舎」で購入できる。地元の企業であるWOULDが廃校となった小学校の校舎と校庭跡地を、「働き、耕し、泊まり、憩う」新型コミュニティセンター「シラハマ校舎」として生まれ変わらせた。

旧校舎はオフィスや宿泊施設(ゲストルーム)として貸し出し、中にはシャワールーム、食堂、トイレを備えている。校庭には無印良品の小屋用の区画が21区画ある。2017年11月からの個人への販売対象拡大に先立ち、販売中だ。高橋さんに販売の状況を聞くと、10棟が売約済みで、うち9棟は入居済みとのことだった。

小屋の居住スペースは約9平米、縁側が約3平米の合計約12平米だ。価格の300万円の中には施工、材料費が含まれる(その他、施設整備費、管理費が別途発生)。玄関はなく出入りは正面の窓から行う。水回りはもちろん、ガスといったライフライン類は小屋にはなく、シラハマ校舎にある共有スペースを使用する。(電気関連はオプションで追加可能)ただ寝るだけのスペースというシンプルな作りとなっている。

■気になる購入者は?

高橋さんは「当初、ターゲットは都会と地方との二拠点居住に興味がある年配の方を想定していました。しかしファミリー層、仕事場としての利用を希望する若い人など、意外にも年齢層は多岐に渡っています」と話す。中には保養所として購入する企業や、「車を買う代わりに小屋を買うことがステイタスになる時代が来るかもしれない」という人もいる。

小屋は躯体5年、その他1年間の保証付きだ。購入後のメンテナンスは必要だが、最初から保証があるのは入居者としては嬉しい。

実際の住み心地はどうか。居住スペースは9平米ではあるが、屋根が縁側に向かって傾斜しているので意外と広く、大人3~4人が過ごせる。小屋に使用された木材は全て国産で、造船で古くから用いられてきた焼杉(杉材を焼いて強度を高める)の手法を採用したほか、防腐性と耐久性も備える。内装はあえて無塗装で仕上げられており、入居者はペンキで好きな色に塗るなど自由にアレンジできる。

しかし、水回りや電気などのライフラインがないため、小屋単体での生活は難しい。シラハマ校舎のようなコミュニティスペースの一部として使う、自宅の敷地の一部に置いて子ども部屋として使うといった利用法が適していると言えそうだ(オプションで断熱仕様やコンセントの設置などは可能)。

個人用の販売対象地域は、東京都、千葉、神奈川、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨、静岡の各県。有楽町にある店舗併設のショールームには見学者も多く、小屋が流行っている欧米や台湾のメディアからの問い合わせも多いという。

■ミニマリストにはどう映る?

限りなく無駄を削ぎ落としたシンプルな構造の無印良品の小屋。一見、生活には不都合そうにも見えるが、特に最低限の物しか持たずに暮らすミニマリストには好評だ。まずは、住まいについての考えなどを、書籍『ミニマリスト日和』などの著者・おふみさんと、「わたしのウチにはなんにもない。」などの著者・ゆるりまいさんのお二人に聞いた。

「無駄なスペースや物がない住まいが理想です。収納が広すぎると、持っている物の要不要を判断するタイミングが先延ばしになりがちです。コンパクトな収納が備わっていれば良いです」(おふみさん)

「隅々まで自分の意識が届き、管理しやすい範囲の住まいが理想です。私の場合、広すぎると管理が大変で持て余してしまいます。家族の身の丈に合った、ほどよいサイズ感の住まいが理想です」(ゆるりまいさん)

両者とも、必要以上に広い空間は不要という考えを持っている。既存の戸建てや賃貸物件で「これはいらないな」と感じるものについては、「広い庭です。定期的に草むしりが必要で億劫なので」(おふみさん)、「無駄に部屋数が多い、都心に近いなどの立地条件です。住居費は少しでも抑えて心の余裕を持ちたいので」(ゆるりまいさん)と話す。

こうしたミニマリストの方々にとって、無印良品の小屋は魅力的に思えるようで、「積雪や台風にどれだけ強いのかが気になりますが、その点をクリアできればとても魅力的です。キッチンやトイレなどの水回りがないので、住まいとしての利用は無理そうですが、母屋の離れとしての利用ならありだと思います。私としては、コンパクトな『家』があればすぐにでも住みたいなと思います。水回り付きで24平米ほどの小屋を開発してもらえれば、購入を検討したいくらいです」(おふみさん)

「面白いなと思いました。家に対する固定観念を壊してくれる新しい住まいの形ですね。究極を目指すミニマリストさんには最適な物件かもしれません」(ゆるりまいさん)と前向きな意見だ。

断捨離という言葉が流行して久しい。物だけでなく家の設備もすっきりとシンプルなものだけでいい。必要以上に広さは求めず、コンパクトに生きたい――不要なものを極限まで削ぎ落した「小屋」にも需要があるということは、こうしたニーズを持つ人々が一定数いるということだろう。

地方の余った土地や、極端に面積の狭い物件など、通常、賃貸には難しい物件でも、ニーズがある層に届けば需要はある。物件を住む場所・生きる場所として捉え、ターゲットを絞った空室対策を行ってみるのも戦略の一つだろう。

○取材協力
・無印商品の小屋
https://www.muji.com/jp/mujihut/

・おふみさん
http://mount-hayashi.hatenablog.com

・ゆるりまいさん
http://nannimonaiblog.blogspot.jp

○参考
・シラハマ校舎
http://www.awashirahama.com/nagao/index.html
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:11月20日(月)20時00分

不動産投資の楽待

 

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