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中国製航空機の世界輸出に道を開くのか? 米中が重要協定を締結

11月15日(水)8時40分配信 THE PAGE

 トランプ米大統領の訪中と前後して、ある重要な協定が米中間で結ばれました。今後の航空機産業を大きく変える可能性があるとされていますが、それはどのような内容なのでしょうか。
[資料写真]2016年に商業運行を始めた中国産ジェット機「ARJ21」(ロイター/アフロ)
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[資料写真]2016年に商業運行を始めた中国産ジェット機「ARJ21」(ロイター/アフロ)
 米連邦航空局(FAA)と中国民用航空局(CAAC)は10月末、航空機や航空機関連部品の耐空性に関する相互協定に調印したと発表しました。詳しい内容は明らかではありませんが、これは中国製航空機や航空機部品を世界市場で販売できるようにするための措置と考えられます。

 航空機は安全性が第一であることから、当局から認可されなければ運航に利用することはできません。航空機メーカーは製品を販売したい国の航空当局から、構造や強度が基準に合致しているのかという型式証明(開発時)や、騒音や環境などが基準に合致しているのかという耐空証明を受ける必要があります(型式証明は耐空証明の一部となっている)。しかしながら、航空機産業における米国の地位は圧倒的であり、多くの国が米国当局の基準をそのまま採用しています。つまり米国当局から耐空証明を得られなければ、事実上、航空機を販売することは不可能とみてよいでしょう。

 国産初のジェット旅客機である三菱重工のMRJは、何度も納入を延期するトラブルを起こしていますが、開発が大幅に遅れているのは米国での型式証明取得に手間取っているからです。
[資料写真]2017年のパリ航空ショーで初展示されたMRJの実機(中尾由里子/アフロ)
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[資料写真]2017年のパリ航空ショーで初展示されたMRJの実機(中尾由里子/アフロ)
 米国が支配する航空機産業の中で唯一の例外となっているのが中国市場です。中国では独自の安全基準が適用されており、中国の航空機メーカーは米国の証明を受けなくても国内市場だけで十分にビジネスが成立します。したがって、中国国内では米ボーイングや欧州エアバスといった主要メーカーの航空機に混じって、中国製の航空機も空を飛んでいます。

 今回の協定では、米国当局と中国当局が手を組み、安全基準などを相互提供することが期待されています。うまくいけば、中国製の航空機や航空機部品を米国市場で販売することができるようになりますが、これは中国製の航空機が全世界に輸出できるようになることを意味しているわけです。

 航空機は高価であることから、アフリカなどの途上国では中古機がよく利用されていますが、こうした市場では中国製の航空機がシェアを伸ばす可能性が高いでしょう。

 今回の協定はトランプ氏の訪中に合わせて締結されました。中国側がボーイング社の航空機を米国から大量購入する代わりに、中国製航空機の世界輸出に道を開くという取引と考えられます。中国の航空機製造に関する技術は想像以上に高まっていますから、近い将来、中国製の飛行機に乗る機会が増えてくるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:5時45分

THE PAGE

 

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