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トヨタ車種半減の方針を固めるとの報道、フルラインアップ製品戦略を大転換

10月23日(月)11時20分配信 THE PAGE

 トヨタ自動車が、国内で販売する車種を半分に減らす方針を固めたと報道されています。同社は「いつかはクラウン」というかつてのキャッチフレーズに代表されるように、フルラインアップの製品戦略を基本としてきました。車種が半減するということは、トヨタの基本的な販売戦略が変わることを意味しているのですが、国内の自動車市場では何が起こっているのでしょうか。
写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ
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写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ
 トヨタは現在、国内で約60車種のクルマを販売していますが、2020年代半ばをメドにこれを半減し、約30車種の体制とします。また販売戦略についても見直しを行い、地域別の販売戦略を担当する新しい組織を設置します。

 同社がクルマの車種を大幅に絞り込む理由は、国内自動車販売の不振です。2016年の日本国内の自動車販売台数は約497万台でしたが、市場はかなりのペースで縮小が続いています。一昨年である2014年との比較でも10%の落ち込みでした。自動車は典型的なグローバル商品で、国内経済の動向とは無関係に価格が決まります。日本は過去20年、ほとんど経済が成長していませんが、諸外国は同じ期間で1.5倍から2倍にGDP(国内総生産)を拡大させました。当然、物価水準も上昇しますからクルマの価格もそれに準じて上がっていきます。現在の日本人の購買力では、クルマという商品はかなりの高級品ですから、買い替え頻度が大きく低下しているのです。

 これに追い打ちをかけているのが人口減少です。これまでは、人口がほぼ横ばいで推移してきましたが、今後は本格的に人が減り始めます。国内におけるクルマの需要がさらに低下するのは確実といってよいでしょう。

 トヨタは、米国のGM(ゼネラルモーターズ)をお手本に、社会階層ごとに最適な車種を用意し、顧客のライフステージを丸ごとカバーするという特徴的なマーケティングを行ってきました。あらゆる階層の顧客に対応するためには、60車種ものラインアップが必要だったわけです。

 しかし、縮小市場ではこうした販売戦略は非効率となります。車種を絞り込んでコストを削減し、売れ筋の車種に経営資源を集中せざるを得ないというのが実情でしょう。

 トヨタは自動車メーカーとしては珍しく、国内生産にこだわっており、2016年度の生産台数897万台のうち、約46%を国内で生産しています。しかし、国内市場で一定数以上のクルマが売れなければ、国内生産を維持することは困難です。場合によってはトヨタも、日産やホンダのように、製品の多くを海外で生産するという体制にシフトしていく可能性も否定できません。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10月27日(金)5時47分

THE PAGE

 

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