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グループ法人税制は、どんな場面で活用できる?

10月17日(火)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© Monet-Fotolia)
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みなさん、こんにちは。不動産投資専門税理士の叶温です。今回は、平成22年から適用がスタートしているグループ法人税制について、不動産投資にどう関連があるのかを、わかりやすく解説したいと思います。

■グループ法人税制とは?

皆さんも一度は「グループ法人税制」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。グループ法人税制は、平成22年の税制改正で創設された税制です。この税制が創設された背景には、平成17年に商法が改正されたことによって、それまで大企業を中心に会社の合併や分割等の組織再編をしていたのが、中小企業も実施するようになってきたので、それに対応するためです。

では、ここでグループ法人税制のイメージをつかんでおきましょう。グループ法人税制の適用を受けるグループとは、100%グループ、すなわち完全支配関係があるグループの法人です。

完全支配関係とは、同じ法人または個人が、他の法人の株の全部を直接、または間接的に持っている状態の関係になります。また、個人の場合は親族等も含むので、身内で株式を持ちあっている場合でも適用されます。

■グループ法人税制が適用されるとどうなるのか?

では、不動産投資、不動産賃貸業をする上で、グループ法人税制が適用されると、どんな影響があるのでしょうか? 例えば、グループ法人内にあるA社が持っている不動産を、同じグループ法人内にあるB社に譲渡したとしましょう。譲渡の際には、譲渡損が発生しています。

このような場合、通常だとA社に譲渡損が計上されますが、事例ではグループ法人内の取引に該当するため、税金上、A社で譲渡損を計上することができません。つまり、グループ法人内では、一定の資産の移転による譲渡損益は、譲渡側(A社)の法人で計上できずに繰り延べされることになるわけです。対象となる資産は資産の帳簿価額が1000万円以上となる次の資産です。

・固定資産
・土地(土地の上に存する権利を含み、固定資産に該当するものを除く)
・有価証券(売買目的有価証券を除く)
・金銭債権
・繰延資産

そして、繰り延べられた損益は、譲受法人(B社)が再度譲渡等を行った場合や、譲受法人(B社)がグループから外れた場合に、譲渡法人(A社)側で実現することになります。

もし、グループ法人税制をうまく活用することができれば、グループ法人間で損益を発生させずに不動産を移転することができるため、資産の組み替えや相続税対策として効果があるかもしれません。

1物件1法人スキームとは、物件ごとに法人を設立して購入、運営する方法で、1銀行1法人スキームとも言います。株主が同じ個人やその親族であれば、グループ法人にも該当しますが、税務的なメリットとしては、住居系の物件を購入する際に消費税還付を成功させやすい、接待交際費等を使える枠が多くなる等が挙げられます。

そして、もう1つ融資的な面で、メリットがあると思っている方もいます。それは、他の法人で借入していることを伏せた状態で、新規法人で借入を受けられることがあることです。

ただ、他の法人で借入があることを伏せて、新しい借入を申し込むことは、金融機関を欺くことになります。したがって、借入を申し込む際は、当然、他の法人にどれぐらいの借入があるのかを担当者に伝えておくべきです。

今は、マイナンバーの施行によって、国税庁の法人番号公表サイトで住所を入力して検索すれば、その住所で登録されている法人を見ることができるので、金融機関が調べようと思えば簡単に調べることができます。嘘だと思ったら、実際に検索してみてください。

○参考:国税庁の法人番号公表サイト
http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

また、グループ法人税制に該当すれば、各法人の法人税の申告書に、株主となっているすべての法人が掲載された「出資関係図」を添付することが必要となります。金融機関も欺かれたことがわかれば、信頼関係が崩れ、次の融資にも影響が出てきますので、長い目で見れば、情報をオープンにして信頼関係を築いていく方が得策でしょう。
叶 温

最終更新:10月17日(火)20時00分

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不動産投資の楽待

株式会社ファーストロジック

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