ここから本文です

利回り20%超も……物置投資は「不労所得」なのか

10月13日(金)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© moonrise-Fotolia)
拡大写真
(写真© moonrise-Fotolia)
少ない初期費用で高い利回りを得ることができ、しかも手間はほとんどかからない―。こうしたメリットの多さから、コンテナやトランクルームといった「物置」投資の人気がじわじわと高まりつつある。

実際に15%や20%といった実質利回りを実現できている投資家からは、「始めるなら市場が拡大しきる前の今が狙い目」といった声も聞こえてきた。

■実質利回り15%、郊外が狙い目

ハンドルネーム・Takaさんは、サラリーマンの副業として、2012年ごろから物置投資を始めた。現在、複数の投資家との共同出資を含め、事業会社を通じて、関東地方で複数のコンテナやトランクルームに投資しているという。総投資額は約1000万円で、これに対する実質利回りは15%ほどだ。

「不動産投資についていろいろと調べていた時に、たまたま見つけたのが物置への投資でした。手軽だし、まずはこっちから始めてみようと思いました」ときっかけを振り返る。

少額で始められることは大きなメリットだとTakaさんは語る。初期投資としては、一番安いもので50万円、立地が良く大きなもので600万円程度かかったという。また、毎月の管理費も事業会社に支払っている。それでも月々15万ほどの手残りになるという。

物置投資は「最初が一番大変で、それが終わってしまえば楽です」と語るTakaさん。大変なのは、立地選定や、利用料の値段付け、満室までの期間が長いことなどが理由だ。

「駅前は初期費用が高額です。また、そういう場所はトランクルームという形式をとりますが、テナント料や改装料も含めて高くついてしまいます。ただ、利用者は車を使う人がほとんどですし、行く頻度がそこまで高い施設でもないので、利便性を考えても駅前より郊外の方が立地としては良いです」

利用料設定は「そういうノウハウが私にはないので、事業会社に任せています」と言いつつ、「すでに競合が出店しているところなら相場が出来上がっているので、そこに合わせる。一方、まだ出店されていない場所なら先駆者になれますから、極端に高い値段付けはできませんが、少し高めに設定して、埋まらなければ徐々に下げていきます」と、市場を見極めることの重要性を訴える。

■「最初が肝心」

「最初から満室になるケースはまれ」と、空室をすべて埋めるまでには時間がかかると指摘するTakaさん。感覚として「1カ月に1、2件申し込みが入るという感じ」だという。入退去の時期である春先などに申し込みが増える…というようなこともないと話す。一方で、一度荷物を入れた利用者は荷物を動かす手間から契約を解除しにくいため、「最初が肝心」ということになる。

「いかに早く契約してもらうか、早く空室を埋めるかが大事です。いったん荷物を入れてもらえれば、後から競合が出てきても、ちょっと安いくらいだと『面倒だからこのままでいいや』となってもらいやすいです」

そのために、Takaさんは利用者に向けて、初期費用無料や、1年契約することで1カ月の利用料無料といったキャンペーンを打ち、とにかく最初に利用者を増やすように努めている。「キャンペーンが終わって出ていく人もいますが、入らないよりはましです」

ただ、キャンペーンが終わっても利用をやめない人は長期利用する可能性が高いため、「それを繰り返すことで、最終的には長期利用者ばかりと契約することができます」と話す。長期利用者ばかりになればほとんど手間もかからず、「大規模修繕も塗装くらいしかありません」とさらなるメリットを述べる。

しかも、利用者の反応が良くないと思えば新たに土地を探して、コンテナだけ動かすこともできる。「不動産は文字通り『不動』ですが、そうではないのがコンテナの面白いところですね」

■右肩上がりの市場

こうした手軽さから、今後の参入者の増加が見込まれているが、「もし始めるなら、今ではないでしょうか」とTakaさんはアドバイスする。今後さらに市場が大きくなれば、期待できる利回りもどんどん下がっていくからだ。「実際、私が始めた5年ほど前の利回りは20%以上でしたが、緩やかに下がってきています。始めたいと思う人は、早いほうがいいと思います」

実際、市場は拡大を続けている。株式会社矢野経済研究所の「レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム市場に関する調査」(2016年)によると、トランクルームやコンテナ収納の国内市場規模は右肩上がりで推移しており、2011年度の455億5000万円に比べ、2016年度は1.5倍近い増加となる652億6000万円と予測されている。また、2016年6月末現在のコンテナ収納などの部屋数も、2013年同月末時点に比べ約23%増の約43.8万室にも上るとみられている。

物置投資を始める場合、備えるべきリスクやトラブルにはどんなものがあるのだろうか。

Takaさんは「例えばコンテナは盗難などがありますね。鍵が1つついているだけなので、それを壊されてしまえば中のものは盗まれてしまいます」と明かす。事業会社を通じて盗難が発生した時に備えて保険に加入しているが、盗難が発生したコンテナというイメージが付くことで「もしかしたら利用者が離れてしまうかもしれない」という懸念もある。

そこでTakaさんは、本来なら利用者自身に用意してもらう鍵を、自分であらかじめ用意しているという。

「はさみの入らない、盗難されにくい鍵というのがあるんです。これを最初から渡すようにしています」。また、道路から見て死角ができないような置き方も模索している。

■利回り35%で「メリットしかない」

「コンテナへの投資は、メリットしかありません」と断言するのは、金原康秀さん(仮名)。神奈川県の数カ所にコンテナを約40室所有している。そのうち1カ所では初期投資に1200万円ほどかけた。稼働率100%の現在、月の収入は約35万円のため、利回りは35%にもなる計算だ。月の支出は管理費などで10万円程度だといい、実質利回りも20%以上を確保できている。

また、別の場所では業者とサブリース契約を結んでいて、こちらも利回りは15%ほど。物置投資のサブリース契約について、金原さんは「10年契約ですが、コンテナに『築何年のコンテナ』なんてありませんから、利用料が大幅に変わるということもないので安心感があります。サブリースで利回り15%もいく物件は、アパートやマンションではほとんどありません」と語る。

アパートやマンションにある大規模修繕とも違い、「コンテナも10年で塗装をしますが、1つあたり5000円程度しかかかりません。大きな支出は一切ないに等しいです」という。これが金原さんの考えるコンテナ投資のメリットの1つだ。

そのほか、「賃貸物件にある大家の責任も、コンテナなら発生しません」と金原さん。例えば、コンテナのカギは利用者本人が選んで取り付けているため、そのカギが破られた場合、利用者本人の責任になるという。

さらに、コンテナに一度荷物を入れてしまうと、長期間の利用が見込めるため、安定稼働も期待できる。「重たい荷物をすでに入れている人が、例えば大田区から品川区に引っ越したとして、『じゃあコンテナの荷物も動かすか』とはなりません。一度入れてしまえば、なかなか動かないんです」(金原さん)

■「私は通帳を見ているだけ」

「コンテナを置く土地は市の遊休地、いわば使い道のない土地を激安で借りています。コンテナは海外の中古のものを購入しました。これらは全部、管理会社に見つけてきてもらったものです」

土地探し、コンテナ探しもすべて管理会社に任せているという金原さん。「私は何もしていません。通帳を見ているだけです」と語る。

客付けもすべて管理会社任せだというが、重要なのはコンテナに貼るビラやホームページ(HP)がどれだけ作りこんであるか、ということだという。コンテナ投資では、仲介会社などが利用客に対して営業をかけるということをするわけではなく、まず認知されることが重要になる。こういったビラなども管理会社が作っており、金原さんはその出来具合などを確認している。

現在の稼働率は100%。開業してすぐに満室を実現できた金原さんは、コンテナを置く立地について「片側3、4車線の幹線道路は厳しいと管理会社に聞きました。片側1車線くらいで、常に車が通っているような交通量の多い道路。利用者は車でコンテナまで荷物を運ぶので、道路脇に車を止められるような道路がいいようです」と話す。

一方で、需要の見極めについては「やってみないとわからない」が、「ダメなら移転させればいいだけです」とあっけらかんと語る。

「不労所得」を実現できているかのように見える金原さん。だが、その裏には、こうしたコンテナの管理一切を任せられる管理会社を探す努力があった。

「コンテナを管理してくれる会社はほとんどありませんから、それを探さなくてはいけませんでした。1年以上かけて、数十社を一社一社回りましたよ。アポが取れればすぐに行きました。それで、ようやく話を聞いてくれる社長に出会えたんです」

戸建ても2戸所有するという金原さんは、「アパートやマンションの大家さんは、買った後も努力し続けなくてはなりませんが、コンテナはそうではない。購入前に一瞬頑張れば、後は楽ができます」と違いを語る。

今後もコンテナ投資は続けていきたい考えだが、規模拡大には障害もある。「最近は多くの人が参入してきていますし、大手の企業もコンテナに乗り出してきました。彼らは持っている情報量が圧倒的に違いますから、これ以上増やしていいのか、考え中です」

■累積赤字100万超……事前準備の重要性とは

「もし物置投資を投資として一本で成り立たせたいと思うなら、事前の準備がかなり必要だと感じています」と警鐘を鳴らすのは、九州地方に約10室のコンテナを持つ園田孝行さん(仮名)。現状、利用は1室で、月の売り上げは6000円だという。

「管理費は1部屋あたり500円です。また、初期投資を抑えるためにコンテナをレンタルしているので、レンタル料も発生します。現在のレンタル料は約3万円です」

累積赤字は100万円を超え、これ以降も利用者が増えなければ毎年25万円以上の赤字となる計算。ただ、アパートなどを複数所有しており、「その他の物件と損益通算しているため、現状では問題にはしていません」という。「コンテナ自体をレンタルすれば比較的安く始められます。イニシャルコストは20万円、ランニングコストも年間40万円弱。私の物件でも、安い部屋が6部屋も埋まればプラスに転じる計算です」

数年前に園田さんが取得したアパートの土地が余っていたため、物件のバリューアップを目的としてコンテナを設置した。その時は転勤してきたファミリー層をターゲットにしていたというが、「既存の入居者から視界が遮られて治安悪化につながるという懸念の声が出ました。田舎なので実験的な出店でもありましたし、利用者が思いのほか決まらなかったんです」。現在の利用者も、アパートの入居者ではないという。

園田さんは「主眼をどこに置くかですね。私の場合はバリューアップ目的なので、年間30万円程度の赤字では問題にしない、軽い気持ちでいます。現状で不満は感じていません」という。しかし、Takaさんや金原さんのように物置投資だけで収益を得たいと感じるのであれば、立地やその土地のマーケットの調査を欠かすことはできない。

■市場のさらなる拡大を前に

あらためて、参入するハードルが比較的低く、そして参入後の手間のかからなさが明らかとなった物置投資。実際に、高利回りを実現できている投資家も多数いるようだ。修繕の必要がほとんどなく、長期利用者も多いことから、投資後に必要な労力はアパートやマンションなどとは比べ物にならない。

一方で、投資前には他の収益物件と同様に、立地や需要の調査、そして信頼できる事業会社と出会うための努力が必要になる。投資前にかかる苦労を念頭に置きつつ、市場がさらなる拡大をする前の今であれば、参入を検討する余地もありそうだ。

○取材協力
自由人を目指すサラリーマンの記録 http://g-mark.info/
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:10月13日(金)20時00分

不動産投資の楽待

 

情報提供元(外部サイト)

不動産投資の楽待

不動産投資の楽待

株式会社ファーストロジック

最新記事を毎日更新

実際に不動産投資を行っている投資家の
「失敗談」や「成功談」をはじめ、
不動産投資をするなら必ず抑えておきたい
ノウハウを記事にして毎日配信!

【あわせて読みたい】

このカテゴリの前後のニュース

不動産投資コラム(楽待)

ヘッドライン