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現役副大臣が「小池新党入り」を決断した事情

9月24日(日)19時00分配信 東洋経済オンライン

若狭勝衆院議員(右)と握手する自民党の福田峰之内閣府副大臣=24日午前、東京都豊島区(写真:共同)
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若狭勝衆院議員(右)と握手する自民党の福田峰之内閣府副大臣=24日午前、東京都豊島区(写真:共同)
 現職の副大臣が自民党を離党し、新党に参加する――。そんな珍事ともいえるような驚愕のニュースが飛び込んできた。

 9月24日午前、福田峰之衆院議員は若狭勝衆院議員とともに東京・豊島区にある若狭氏の事務所で会見。福田氏は「私の考えと若狭さんの考えについてはほぼ一致する」と発言した。福田氏の言葉からは、若狭氏側と水面下で交渉してきたことがうかがえる。福田氏は「新しい社会の中に望まれる人材、政治家を輩出することをやりたい」と説明。25日に自民党に離党届を提出するという。
 しかしながら福田氏は、8月の内閣改造で内閣府副大臣を拝命したばかり。まがりなりにも安倍晋三内閣の一員だ。しかも今回の表明に際し、所属派閥の領袖である麻生太郎副総理兼財務相に断りを入れていないとのことである。この離党劇は異例中の異例といえるだろう。

■自民党から噴出する福田議員への批判

 「故・亀井善之農水相の秘書だった福田氏は、甘利グループの一員。甘利明元経済財政政策担当相らと共に、今年2月に麻生派に入会した。しかし甘利氏にも離党の件を話していないようだ」
 「福田氏は、河野太郎外相を総理にするという名目の“火曜会”のメンバーでもあったはず。いつのまにか小池総理を目指す方向に変わったということなのか」

 一報が報じられて以来、自民党内から福田氏に対する批判の声が相次いで聞こえてくる。中でも最も辛辣なのは、「福田氏が内閣府副大臣に任命されたのは、選挙に弱いという事情を菅義偉官房長官が考慮したため。それなのにその恩を仇で返そうというのだから相当罪深い」というものだ。
 神奈川8区を地盤とする福田氏は、選挙に極めて弱い。自民党が圧勝した2005年の郵政民営化選挙が福田氏のデビュー戦だが、追い風が吹きまくったこの選挙でも、江田憲司氏(無所属)、岩國哲人氏(民主党)に後塵を拝し、比例での復活当選だった。

 民主党(現・民進党)が優勢だった2009年の政権交代選挙ではもちろん落選しているし、2012年と2014年の衆議院選では比例復活で当選したが、いずれも得票数は江田氏に遠く及ばなかった。
 そこまで選挙に弱いからだろう、次期衆院選に備えて自民党神奈川県連は、福田氏の神奈川8区を「超重点区」に決定したばかりだった。

 「どうりで昨日(23日)行われた自民党横浜市連の会合に、福田氏は姿を見せなかったはずだ」。福田氏離党のニュースを聞いた自民党神奈川県連関係者は、突然の裏切りに怒りを抑えきれずにこう話す。

 同じ自民党神奈川県連関係者はこう続けた。「今回の福田氏の裏切りは本当にショックだ。7月30日に行われた横浜市議補選(緑区)に福田氏の秘書の樗木(おてき)彰氏が出馬して、その応援を全面的に行ってきたばかり。樗木氏は福田事務所で青葉区担当だったらしく、地元との関係が薄かった。それを必死で補おうと、我々は猛暑の中、全力を尽くして頑張った。それなのにそうした気持ちを福田氏は踏みにじった」。
 だがそのような選挙区のしがらみは、むしろ邪魔ということなのかもしれない。福田氏は神奈川8区を打ち捨て、他の選挙区での出馬を模索しているようだ。おそらくは小池百合子知事の影響の強い東京都内の選挙区から落下傘で出馬すると見られている。

■中山夫妻も小池新党へ

 福田氏の新党入りに加え、24日は“日本のこころ”の中山恭子代表が夫の成彬氏とともに小池新党へ参加すると報じられた。同日午後、中山氏は小池知事と面談し、その意向を伝えている。
 そもそも参議院議員である恭子氏は衆議院選挙に備えて新党に参加する必要はない。その意図は“日本のこころ”の看板では当選できないことが確実な成彬氏の議席をなんとしても確保したいという点にあるようだ。

 これで衆議院の解散により“日本のこころ”は消滅することになる。「次世代の党」から党名を変更する時に、「日本のこころを大切にする」ことにこだわった中山氏だが、衆議院選を目前にしてあっさりと“日本のこころ”を捨て去ることになったといえる。
 寄せ集めの色を濃くしつつある小池新党は、ますます理念なきものとなり、国民の思いとかけ離れていくに違いない。
安積 明子 :ジャーナリスト

最終更新:9月24日(日)20時08分

東洋経済オンライン

 

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