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重税国家において、税金がCFに与える影響は?

9月23日(土)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© Elnur-Fotolia)
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現在、私は15棟目にあたるRC一棟物の購入を準備中です。売買契約も済み、現在金融機関で融資の審査中です。今回は少し、金融機関の付き合い先を増やそうと新規の2行と面談しましたが、どちらも判で押したような対応。曰く「自己資金2割を入れてください」とのこと。

違う金融機関、一方はメガバンク、他方は信金なのに、どこかにマニュアルでもあるのですかね。私はこの4月にも戸建を2戸購入し、手持ち現金がさほどないので、この2行はあきらめました。新しい金融機関との関係を構築したいものの、さすがに資金的に無理だったからです。結局メインバンクに話を持ち込みました。こちらは「自己資金2割を入れてください」なんて言いませんでした。現在審査中です。果たして、どうなることやら。

さて今回は、不動産投資に関わる「税金」の話をしましょう。

日本は本当に重税国家で、あらゆる取引に課税がされます。「これじゃ、みんなやる気なくなるよ」ってくらいに、税金がかかってきます。しかし、法律は法律、法は守って、きちんと納税して、不動産投資をしましょう。私も、とんでもない金額の税金を払っていますが、仕方ありません。ということで、知らないと後からとんでもない額の税金が来ますから、今回はどんな税金があるのかを話していきます。

■不動産投資に関わる税金はこんなにある

不動産投資には、印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、法人税・所得税、地方税・住民税、事業税、消費税、相続税が関係します。中には資金繰りに大きく影響する税金もあります。不動産投資を始めた方は、こうした税金の重さに驚いていることでしょう。

さて、不動産投資で最初にかかるのは「印紙税」です。印紙税は、なんだかよくわからない税金ですが、商取引を表す書面に、取引額に応じた印紙を添付することが義務付けられている税金です。

不動産投資の場合は、売買契約書に印紙を添付することで支払いを示します。現在、融資審査中の私の売買契約書の場合、売買価格が9500万円なので、5000万円超1億円以下にあたり、印紙税は3万円です。1億円超5億円以下なら6万円です。これでも軽減税率らしく、本来3万円は6万円、6万円は10万円だそうです。詳しくは国税庁ホームページ「不動産売買契約書の印紙税の軽減措置」を参照してください。

数万円とはいえ、それなりの負担です。なぜ契約書に印紙を貼り、印紙税を支払うのか、意味がわかりません。法的な根拠は何なのでしょうかね。これは国税です。不動産を買うと法務局に登記をします。この時に支払うお金を「登録免許税」といいます。土地、建物ともに物件価格の20/1000、つまり2%です。あれ、もっと取られている感覚がありますが、司法書士を通じて支払っているので、かかっている印象なのかもしれませんね。

居住用は軽減税率があるようです。詳しくは国税庁ホームページ「登録免許税の税額表」を参照してください。登録免許税は購入時、ローン決済時に必要になりますから、最初に準備しなければならないので、購入資金準備に影響します。これは国税です。

■不動産を買うと「不動産取得税」という税金がかかる

忘れたころにくるのが不動産取得税。この税金は、不動産を買ったから徴税するという税金です。私の感覚では、購入後半年くらいに納付書が来て、だいたい家賃収入の1カ月分を持っていかれる感じです。たとえば、月額家賃収入が20万円なら20万円くらい、50万円なら50万円です。私が買う不動産がだいたい表面利回り8%くらいなので、ひと月分になる感覚なのでしょう。

最初の年に1回だけかかるのですが、投資初年度に資金繰りを大きく圧迫する税金です。こうした税金は、とても「懲罰的」に感じます。これは都道府県の地方自治体が課税する地方税です。

不動産取得税は、東京都の場合、不動産取得価格の100分の3です。軽減税率もあります。詳しくは地方自治体のホームページを参照してください。(東京都の不動産取得税のホームページは「東京都主税局 不動産取得税」)

■不動産は持っているだけで「固定資産税・都市計画税」がかかる

固定資産税・都市計画税は、不動産を持っていると毎年徴税される地方税です。その年の1月1日の所有者が支払うことになるので、年の途中で不動産を売買する場合、決済日を基準に売主と買主で日数案分します。

固定資産税・都市計画税は毎年かかるため、キャッシュフローに影響します。このコラムで何度も書いているように、表面利回り14%のRC物件で毎年150万円の固定資産税・都市計画税がかかり、資金繰りが大幅に圧迫される経験をしました。

<固定資産税・都市計画税の税率は、東京都の場合>

○固定資産税
土地分:課税標準額(「土地の課税標準額の算出方法」参照)×税率1.4%
家屋分:課税台帳に登録されている価格×税率1.4%

○都市計画税
土地分:課税標準額×税率0.3%
家屋分:課税台帳に登録されている価格×税率0.3%

軽減措置もあります。土地は上物があれば減額されます。私は駐車場も持っていますが、小規模居住用の上物があると1/6に軽減される措置がないため、利回りに大きく響いた経験というか、今も影響を受けているわけです。

それから、固定資産税・都市計画税では、特に家屋の評価が曲者です。「課税台帳に登録されている価格」です。「課税台帳に登録されている価格」を評価するのは自治体で、この見積もりを高くされてしまうと、ずっと税金が高いままになります。

わが実家もバブル期に建てたアパートが高い価格で評価され、今でも高い固定資産税・都市計画税を取られています。当時は建築費・資材費は高かったとしても、収益には関係なく、今のような入居が確実でない時に、バブル期の評価額を今も使われると困るわけです。何度か見直しを自治体に申し入れましたが、門前払いです。ひどいものです。地方自治体の重要な税収になっているため、とにかく取る姿勢が垣間見えます。

何度も書いている表面利回り14%のRCも、工務店が建てた堅牢な建物で、原価がかかっているのはわかります。ただ、だからといって周辺と比較して高い家賃が取れるわけでもないのに、高い評価額による高い固定資産税・都市計画税を取られ、困りました。

固定資産税・都市計画税も税の根拠がよくわかりません。資産を持ち続ける間ずっと徴税されるというのは、本当の意味での私有財産制ではないのかもしれませんね。滞納すると差し押さえの対象になりますから。また、自治体の財政難によって税率のアップがされたりしています。

固定資産税は年に4回の分納もできます。一括納入しても軽減があるわけではないので、私は分割で支払っています。詳細は各自治体の固定資産税・都市計画税のサイトを参照してください。(東京都の場合は「東京都主税局固定資産税(土地・家屋)・都市計画税」)

毎年かかるのが、国税の「法人税・所得税」、地方税の「地方税・住民税」、「事業税」です。この税金は累進課税ですので、利益、つまり課税所得が増えるほど税率が上がっていきます。最近では法人税が優遇され、個人の税金である所得税は増税モードです。ある金額以上の所得があるなら、個人より法人で投資した方が良くなります。

では、いくらから法人での投資が良いのか、という問いには答えにくいものがあります。私なりのざっくり基準では、課税所得800万円くらい、総所得1600万円くらいなら法人にシフトすべきと考えていますが、そもそも私は、個人・法人はなりゆきで分散してきたので、正確な計算はしていません。個人の税金があまりに重くなったので法人投資に切り替えただけなのです。これからの方は、自分で考えましょうね。

しかし、法人でも個人でも、累進課税は重税感を増幅しますね。「頑張って稼ぐと罰金」って感じの懲罰感を受けます。まあ、担税力があるので支払うべきなのはわかりますが、だれも感謝してくれないし、多く払っても少なく払っている人と同じ扱いですから、なんとも逆に不公平感を受けます。

資産ゼロから努力して資産を築いてきたのに、なんだか世間では大家さんは斜に見られていますし、たくさん納税しても尊敬されない社会風潮は良くないですね。重税ですし、資金繰りには大きく影響するのが「法人税・所得税」と「地方税・住民税」、「事業税」です。これらは国税です。詳しくは、各自治体のホームページを参照してください。

■「法人税・所得税」「地方税・住民税」「事業税」は中間納税がある

資金繰りに影響するという意味では、「法人税・所得税」と「地方税・住民税」「事業税」の中間納税があります。中間納税は、昨年の税金をもとに年間で3分割した税金が期中に徴税されます。

これは結構痛いのです。前年にたくさん納税すると、その分中間納税額が増えます。当年の収入が悪いと特にきつい。中間申告をして中間納税額を変更することもできますが、それも手間です。中間納税は期中に投資しようと思っても、徴税されて投資資金に影響します。国民の投資意欲を削ぐような制度だと感じています。

■不動産投資における「消費税」は仕組みがちょっと不公平

消費税も取られます。居住用は免税されますが、逆に支払っている消費税もあるのに、それは無視です。消費税は本来「預かり」なので、収入側が消費税ナシなら支払い側の消費税は還付すべきですが、そうなっていません。

海外輸出の場合、収入側が消費税ナシなので支払い側で消費税還付されます。大企業である輸出企業は莫大な消費税還付を受けているのですが、我々のような大家は還付されません。なんだか不公平な感じです。

事業用の貸し付けで家賃に消費税を加算してもらう場合は、消費税の納付義務があります。消費税も預かりでありながら、資金繰りに影響します。消費税は国税です。詳しくは、国税庁のホームページを参照しましょう。

不動産は売っても税金がかかります。法人であれば、損益合算で法人税・地方税を支払います。個人の場合は所得税・住民税ですが、不動産は「譲渡所得」という分類になり、短期(5年以内)で売ると税率が上がります。個人の場合、こうした変な規定があり、5年以内の売却は税率が高く、納税額が上がり、不利になります。気を付けましょう。

私も、以前個人投資した物件を売った際、5年超かどうか非常に気にしました。長期譲渡所得に分類されれば税率は15%、短期に分類されると30%と倍増です。詳しくは、国税庁のホームページを参照しましょう。

■人が亡くなると「相続税」がかかる

個人で不動産を持っていて、その人が亡くなると相続税がかかります。これは、人生最後の税金で、相続人が支払います。相続税はとんでもなく重い税金なのできちんと対策しておきましょう。

ちなみに日本の相続税は世界有数の超重税です。調べてみると驚きますよ。相続税がある国の方が少数派ですし。詳しくは、国税庁のホームページを参照しましょう。

■税金を知らないと、キャッシュフローに大きな影響が出る

長くなりましたが、これくらいにします。税金の話は退屈ですね。でも、税金を知らないと、不動産投資はとんでもないしっぺ返しを受けます。キャッシュフローへの影響をきちんと知って投資していきましょう。私も、高額な税金を納めています。良きことに使ってくれるように祈りながら。法律はきちんと守って、きちんと納税しましょうね。

○参照:

・不動産売買契約書の印紙税の軽減措置 - 国税庁(https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/08/10.htm)

・登録免許税の税額表 - 国税庁(https://www.nta.go.jp/taxanswer/inshi/7191.htm)

・不動産取得税 - 東京都主税局(http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/fudosan.html#hu_1)

・東京都主税局固定資産税(土地・家屋)、都市計画税(http://www.tax.metro.tokyo.jp/shisan/kotei_tosi.html#t_1)
石川 貴康

最終更新:9月23日(土)20時00分

不動産投資の楽待

 

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株式会社ファーストロジック

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