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中国の電気自動車シフトで大規模な雇用喪失の可能性、日本への影響も

9月22日(金)8時30分配信 THE PAGE

 中国政府が本格的にEV(電気自動車)へのシフトを進める方針を明らかにしたことで、各国の自動車産業に動揺が走っています。欧州自動車部品工業会は、EVシフトがこのまま進むと、バッテリーの開発や生産などが中国に移管されてしまい、欧州域内の雇用が失われると警告しています。

中国の自動車市場は世界的に突出した規模

中国のEVベンチャー「NIO」が発表したEV。上海モーターショー2017で(写真:ロイター/アフロ)
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中国のEVベンチャー「NIO」が発表したEV。上海モーターショー2017で(写真:ロイター/アフロ)
 中国の国営新華社通信などの報道によると、中国政府はガソリン車など化石燃料自動車の生産や販売の禁止について、具体的な時期に関する検討をスタートしました。その時期がいつになるのかはまだはっきりしていませんが、フランス政府や英国政府は2040年までに化石燃料自動車の販売を禁止する方針を打ち出していることを考えると、中国も似たようなタイミングで規制を進めていく可能性が高いでしょう。中国の方針を受けて独フォルクスワーゲンは、2025年までにEVを50車種投入し、中国において150万台の電気自動車を販売する計画を明らかにしています。

 中国が本格的にEVにシフトすると、既存の自動車産業には大きな影響が及ぶことになるでしょう。中国の自動車市場は、すでに世界でも突出した規模となっており、2016年における自動車販売台数は2800万台を突破しました。この数字は日本市場の5.6倍、米国市場の1.6倍の規模になります。これからの自動車産業は中国で何台販売することができたのかで勝敗が決まってしまいます。

圧倒的に中国メーカーが有利に

 中国国内の自動車メーカーは、GM(ゼネラルモーターズ)やトヨタといった外資系メーカーと比較するとまだまだ品質が悪く、販売台数はあまり伸びていませんでした。

 しかし、最近の中国企業における技術革新はめざましく、一部の車種では日米欧のメーカーと肩を並べる水準まで品質が向上しています。中国市場は中国メーカーにとって自国市場ですから、外資系よりも有利な展開ができるのは当然といってよいでしょう。

 しかもEVの場合には、内燃機関に比べて技術的難易度が低く、外国メーカーと中国メーカーの差はますます縮小することになります。中国政府が強制的にEVに舵を切った場合、圧倒的に中国メーカーが有利になるのはほぼ確実です。

日本も無縁ではいられない

 中国の完成品メーカーのシェアが拡大しても、基幹部品を提供できれば部品メーカー各社は大きな影響を受けないはずですが、現実はそうもいかないようです。従来のガソリン車は3万点以上の部品で構成されていますが、電気自動車の部品点数は2万点程度とかなり少なくなっています。場合によっては1万点にまで減少するとの見方もあり、EVが主流になった場合、これほど多くの部品メーカーは業界に必要ありません。

 中国政府は基幹部品となるバッテリーとモーターの研究開発に多額の政府資金を投入しているともいわれ、状況次第では基幹部品の製造においても中国の存在感が高まる可能性が出てきました。欧州で大規模な雇用喪失が発生するという話が事実であれば、日本も無縁ではいられないかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:9月27日(水)5時51分

THE PAGE

 

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