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米ドル/円の反動を大きくさせた原因は?不確定要素だらけで、決め打ちは無理…

9月14日(木)17時51分配信 ザイFX!

■米ドル/円は完全にダマシのチャートに

米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
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米ドル/円 日足 (出所:Bloomberg)
 北朝鮮が9月9日(土)の建国記念日に何か行動を起こすのではないかという懸念から、先週末8日(金)はリスクオフの流れとなり、円高が進行。米ドル/円は一時、107円台前半まで下落しました。

 マーケット関係者の中には、今年(2017年)の安値を下抜けしたため、105円ぐらいまで米ドル安・円高が進むと予測している人もいました。しかし、9日(土)に北朝鮮が何も行動を起こさなかったことで、週明け11日(月)から、一気に巻き戻しが進みました。

 予想は一瞬にしてはずれ、チャート的には完全にダマシとなってしまいました。その後、今週(9月11日~)は円買いの解消が進み、米ドル/円は110円台後半まで戻してきています。

■税制改革への期待だけじゃない。米ドル/円反動の原因は?

トランプ米大統領は「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」とツイッターで発言。米ドル高・円安の要因に (C)Mark Wilson/Getty Images
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トランプ米大統領は「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」とツイッターで発言。米ドル高・円安の要因に (C)Mark Wilson/Getty Images
米ドルVS世界の通貨 30分足 (出所:ザイFX!)
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米ドルVS世界の通貨 30分足 (出所:ザイFX!)
 米ドル/円が110円台を回復してから、110円台後半まで米ドル高・円安が進んだ直接的な原因となったのは、昨日、9月13日(水)のトランプ米大統領の発言でした。

 トランプ米大統領は自身のツイッターで、「史上最大の減税と税制改革の承認プロセスが近く始まる」と発表しました。

 さらに、それと呼応する形でライアン米下院議長が、「税制改革が25日週に発表される骨子でスタートし、税制を策定する委員会が議員らの意見を募ることになる」と表明しました。

 こうした発表を好感して、米ドル高がさらに進みました。

 しかし、本質的には、元々、北朝鮮のリスクを大きく見すぎていた投資家が多くいたため、一時的な円買いポジションが積み上がり過ぎてしまったことが、米ドル/円の反動をここまで大きくさせた原因であると私は考えています。

■不確定要素がありすぎて決め打ちは無理

米ドル/円 日足 (出所:ザイFX!)
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米ドル/円 日足 (出所:ザイFX!)
米長期金利(米10年債利回り) 日足 (出所:Bloomberg)
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米長期金利(米10年債利回り) 日足 (出所:Bloomberg)
 さて、ここにきて、今度は市場の中では米ドル/円は111.00円を抜けると、一気に上昇トレンドに入るという予測が出てきています。つい1週間ほど前は下に抜けたと言っていたのが、まるで逆の予想が出てきています。いい加減なものだと、つくづく感じます。

 正直言って不確定要素がありすぎるため、方向性を決め打ちするには無理があります。

 まず、足元では本日、9月14日(木)に発表される、米国の8月CPI(消費者物価指数)に注目です。

 食品とエネルギーを除いたコアのCPIは前年同月比で+1.6%程度と予想されていますが、その結果次第で、ここ数日上がり続けてきた米国の長期金利がさらに上昇するか、頭打ちになるかが決まってきます。

 そして、弱体化したトランプ米大統領が議会で税制改革を通せるかどうかも、まったく不透明です。

 個人的には、議会を通過させることは容易ではなく、また揉めて、マーケットを失望させるのではないかと心配しています。

■北朝鮮の態度先鋭化で円高リスクは残存

世界の通貨VS円 日足 (出所:ザイFX!)
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世界の通貨VS円 日足 (出所:ザイFX!)
 最後は、何といっても北朝鮮情勢です。

 先日、国連は北朝鮮に対する追加の制裁措置を全会一致で決定しました。石油の禁輸や金委員長個人の資産凍結は見送られ、妥協の産物とはなったものの、北朝鮮側としては、黙っているわけにはいきません。

 朝鮮中央通信は「日本列島は核爆弾により海に沈められなければならない。日本はもはやわが国の近くに存在する必要はない」とする北朝鮮の朝鮮アジア太平洋平和委員会による報道官声明を伝えました。

 ブラフであることは明白ですが、北朝鮮の態度が段々と先鋭化してきているのも事実です。いつ、また北朝鮮が何らかの行動を起こすとも限りません。円高リスクは十分に残っています。

 こういう環境にあるときは、ポジションをいったん手仕舞いして、何か事態が動いたときに対応するという姿勢のほうが上手くいくと考えています。決め打ちは禁物であると思います。
今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

最終更新:9月14日(木)17時51分

ザイFX!

 

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