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「築50年の古民家」が利回り21%の賃貸物件に

9月14日(木)20時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© T-Kai-Fotolia)
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(写真© T-Kai-Fotolia)
古民家を活用した地域活性や町おこしにまつわる報道が目立つ昨今。比較的安価で購入できる古民家は、借り手がつけば高利回りを狙うこともできる「美味しい」物件だ。

古民家というと、瓦屋根や縁側、和室などを備えた日本の伝統的な家屋を連想しがちだが、実は古民家に「いつ、どの時代に建てられたものか」「建築後何十年経ったものか」といった定義は存在しない。ただ、一般的には「建築後50年経過した建物」「昭和25年以前に建てられた木造の住宅及び、防火木造の住宅」などを古民家とするケースが多い。

総務省が5年に1度実施する「平成25年住宅・土地統計調査」によると、古民家の数は全国で156万6200軒。このうち空き家になっているのは、全国で21万1437軒あると推定される(*1)。投資対象となり得る物件が、全国には20万件以上空き家のまま残っているのだ。

■全国で事例続々 古民家の空き家ビフォーアフター

空き家となった古民家活用は、自治体と地域団体・法人などが提携し、地域活性化を目的に実施される例が目立つ。新潟県長岡市小国町八王子では、30年近く空き家になっていた古民家(築80年)を市で借り上げ、田舎暮らしを体験できる移住促進施設「たまり場 八ちゃん」を6月に立ち上げた。交流と移住の促進を目的としているという。

宮崎県日南市飫肥(おび)地区では4月、江戸時代に武士が住んでいた古民家をリノベーションした宿泊施設「季楽 飫肥 合屋邸(きらく おび おうやてい)」が開業した。市と乃村工藝社が共同で取り組み、古民家再生を行うKiraku Japan社が協力。宿は1日1グループ限定の貸切タイプで、料金は大人2名で2万8800円/泊~。囲炉裏や土間などが当時のまま残された空間で、昔の文化体験を堪能できる。

いずれも都道府県が主体となり、地域に賑わいを取り戻そうとする、町おこしの側面が強い事例ではあるが、古民家活用の可能性が伝わったのではないだろうか。

こうした古民家を投資用に購入し高利回りで運用する投資家もいる。話を聞かせてくれたのは、楽待コラムニストである日曜大家さん。自身が執筆したコラム「【実践大家コラム】超築古物件はどのようにリフォームしたのか?」で紹介した古民家(ここでは古民家Aとする)を事例として挙げてくれた。

古民家Aは千葉県某所にあり、都内まで電車で30分程度、駅徒歩9分と立地にも恵まれている。間取りは4K、広さは増築し75平米、築年数は50年、2016年12月に400万円で購入した。同年7月頃に住人が退去し、日曜大家さんが購入するまでの約5カ月は空き家になっていたという。

築50年と年季の入った古民家ではあるが、定期的に修繕されていたためか、比較的きれいな状態を保っていた。しかし、賃貸するにあたっては当然リフォームが必要で、2月に完成させることを目標に、DIYも含めリフォームを進めた。駐車場の確保や室内の清潔感アップに注力したリフォーム費の総額は約70万円。内訳は以下だ。

キッチン、洗面(躯体確認+キッチン・キッチンパネル・洗面交換+床張替え+クロス):35万円
和室洋室化(床張替え+クロス+塗装等):5万円
和室(畳交換+襖張替え+塗装):3万円
外壁塗装:7万円
洋室A(クロス貼り換え+塗装等):3万円
洋室B(クロス貼り換え+塗装等):2万円
ハウスクリーニング:7万円
駐車場工事:3万円
その他:5万円

こうして美しく蘇った古民家Aを現在、家賃7万2000円で貸し出している日曜大家さん。利回りは21.6%。リフォームにかかった費用を加味しても、18.3%を実現している。

空き家となった古民家を購入し再生・賃貸するにあたり、留意すべきことや忘れてはならないリスクは何だろうか? 日曜大家さんに尋ねてみた。

「購入前に、傾き・雨漏り・シロアリ・外壁の状態(チョーキング、浮き、クラック等)・基礎の状態( 沈下・クラック等)に関して、物件を念入りに調査してください。物件の状態によっては、専門家と一緒に調査するのをおすすめします」(日曜大家さん)

物件の基礎の状態に欠陥がある場合は、いくら室内を再生しても人に貸し出せる物件にはならない。購入前には、プロの目でも確かめてもらうのが有効な方法だろう。もしシロアリ被害に遭っていたり、柱が腐っていたりする場合、その修繕には多額の費用がかかってしまう。

「シロアリ駆除は9000円/坪が相場です。この物件だと約10万円かかる。柱や根太が腐っている場合は、交換や補強に加えて床板の交換も必要な場合があります。その状態によって金額は変わり、多少の修繕でも業者に依頼すると15万円程度は必要。大規模修繕だと50万円以上かかる可能性もあります」(日曜大家さん)

さらに、 競合物件の家賃相場を事前に把握すること、駐車場の有無や駐車場を近隣に確保できるか調査すること、リフォーム費用(概算でも可)を算出することなども、購入前の準備として必要なことだ。

■民泊にも人気だが「耐震」に課題も

最後に、古民家に詳しい団体に、古民家再生のトレンドや課題を尋ねた。古民家再生は大きく3つの方法があり、同団体が発足した約20年前は、田舎に建てられた古民家を解体して運び、別の土地で組み立て直して住まう「移築再生」が主だった。

しかし、今では移築再生というスタイルは減少傾向にある。リフォームを重ねて住まい続ける「現地再生」が約8割を占め、新築の物件に古材を組み入れる「古材利用」が1割強となっている。

「現地再生が圧倒的に増えている理由は、古民家の大きさ・広さが関係しています。町中の狭い敷地に古民家を持ってこようとしても、まず移築するための面積が足りません。そのため現地再生か古材利用が一般的になりました。古民家に興味を持つ、30代くらいの若い方からの問い合わせも時折あります。ちなみに、古民家の中でも、面積が比較的小さい『蔵』は、今でも移築再生されるケースがあります」(同団体職員)

田舎にあった蔵を解体し、東京に持ってきて住居にしたり、飲食店や店舗などに使ったりする移築再生も行われているという。それよりも簡単にできる現地再生の形で、古い蔵を喫茶店やレストランにリニューアルするケースも。蔵には需要があることがわかる。

人気の蔵の他、同団体がここ数年、相談件数が増えていると感じるのは、「空き家になった古民家を民泊に使いたい」というものだ。また、古民家を求める問い合わせも、年配者よりは若い人からのほうが断然目立つ。

2020年の東京五輪に向けて、外国人観光客が年々増えていることも関係しているのだろう。日本人よりも古民家に関心の高い外国人観光客や、前出の30代夫婦のような「古民家好きな若い層」をターゲットに据え、古民家を活かそうと考える人は多いようだ。

一方、課題としては「耐震性」の問題が残っている。昭和56年に新耐震基準ができたことから、国は同年以前に建設された物件に耐震補強の補助制度を設けている。しかし、古民家が補助制度の適用対象となるには、(1)現行法に則った耐震工事をするか、(2)複雑な構造計算をして、耐震性に問題がないことを数字的に証明するか、といった選択肢をとらなければならない。

(1)を選ぶと古民家本来の良さを活かせないまま、中途半端に今どきの家にリフォームされ、(2)を選ぶと時間とお金がかかる

――同団体はそんな問題点を指摘する。もし、国の補助制度を受けたいと思うなら、避けては通れない壁だといえよう。どちらの方法をとるかは、実績があり信頼できるリフォーム施工業者に相談しながら考えていくのが得策といえる。

課題もあるが、確実にニーズは存在し、「結果」を出している投資家もいる空き家古民家投資。投資戦略の一つとして検討する価値はありそうだ。

○取材協力
日曜大家さん
楽待コラムニスト。平成24年に物件購入を開始し、現在戸建13戸を所有する個人投資家。著書に『戸建のDIY再生による不動産投資-家族と一緒に楽しくDIYしながら家賃収入を得る法』がある。
http://www.rakumachi.jp/news/archives/author/sundayo8
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:9月14日(木)20時00分

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