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融資が受けやすくなる「印象操作」のテクニック

9月4日(月)11時00分配信 不動産投資の楽待

(写真© takasu-Fotolia)
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(写真© takasu-Fotolia)
融資の可否のポイントは物件の収益性や借り手の属性はもちろんだが、意外に重要なのが融資担当者の借り手に対する「印象」。第一印象で損をしてしまうと、最後の判断で悪い影響がでることも。融資担当者に信頼のおける人物、好印象を持ってもらうための「印象操作」の方法を心理学の専門家に解説してもらった。

■第一印象は見た目が9割!?

同じ条件でも、なぜかすんなり融資が通る人と、なかなか通らない人がいる。その違いは何か? 第一印象という言葉があるが、融資希望者に対する融資担当者の「印象」が実は大きいと話すのは、『相手にNOと言わせない「空気」のつくり方』(宝島社)などの著作があり、コミュニケーショントレーニングや人事開発コンサルティングでも活躍しているビジネス心理研究家の神岡真司さんだ。

「融資の審査において、物件の収益性や返済計画、依頼者の属性は当然大きなポイントになりますが、依頼者の態度や話し方といった『印象』も審査を左右するポイントになります」(神岡さん)

有名な米国の心理学者アルバート・メラビアンは第一印象に影響する要素を調べた。すると、その影響力は以下のようになった。

見た目(視覚):55%
声(聴覚):38%
話す内容(言葉):7%

■頭から胸までの「フォーカルポイント」を中心に判断される

第一印象は相手がどんなことを話すかという内容よりも、話し手の服装や見た目、表情やしぐさ、声など、「外見」のほうが圧倒的に大きな影響を与える。そして見た目で判断する際の大きなポイントとして、頭のてっぺんから胸元までの約30cmの範囲である「フォーカルポイント」という場所がある。

この「フォーカルポイント」を中心にして、人は目の前の人に対して「清潔感があるか?」「似合う色の服を着ているか?」「明るい印象か?」を判断するという。そしてその人の仕草や態度、声音から、「この人は誠実な人か?」「信頼できる人か?」を判断するそうだ。

融資の場合、担当者がまずこだわるのが「お金を貸してもちゃんと返してくれるかどうか」「誠実な人物かどうか」ということ。融資を申し込んでくる人物を判断するのに、まず第一印象が大きなポイントになる。

■金融担当者は相手のどこを見ているか? 

ある金融機関の融資担当経験者は、自宅に書類を書いてもらいに行った時に、玄関や部屋の中が整理整頓されているかどうか? 書類や印鑑がちゃんと保管されているか? といったことをチェックするという。

中には複数の通帳ごとに印鑑がバラバラで、迷ってわからなくなってしまう人もいるとか。そういう人には要注意人物として「?」が付けられる。即座に融資却下にはならないまでも、融資判断のボーダーラインに引っかかった場合には、マイナス判断に振れる大きな要因になるという。

実際、その担当者曰く返済が焦げ付いたり、何らかのトラブルが起きるたりする人は、身の回りの整理ができていない人が多いとか。金融機関の担当者が自宅を訪問するのは、そんな裏の目的もある可能性が高い。

いずれにしても最初に融資のお願いに行くときには、こちらから金融機関に赴き、担当者に会って話をする。その際は服装や話し方、態度やしぐさなどが第一印象を大きく左右する。逆に言うならば、その時の印象操作によって、より融資が受けやすくなることも可能だと言える。

まず、服装のポイントは? 神岡さんは「清潔感」を第一に挙げる。できればスーツ、もしくはジャケットを羽織る。高級なものでなくとも、シワや汚れがない清潔感のあるものであればOK。「色は派手なものではなく、スーツやジャケットは黒か紺色で、シャツは白か薄いブルーがよいでしょう」(神岡さん)

心理学的に白は清潔感を、ブルーは理知的で落ち着いた感じを醸し出す。初対面ではどちらかのシャツを。そしてネクタイは茶色や赤系の色を選択するべき。「様々な実験結果によって、赤色は好感度を上げる色だということがわかっています。ただし、赤は情熱的であり、あまりに強調しすぎると攻撃性を感じさせます」(神岡さん)

ですからシャツは白かブルーにして、ネクタイを赤系、あるいはワンポイントでも赤が入っているものを着用するとバランスが良い。「米国の大統領選挙では候補者の多くがこの配色パターンです。清潔で落ち着いた中に、情熱やエネルギーを感じさせます」と神岡さんは話す。

■時間的に余裕のあるスケジュールで動くのが鉄則

暑い夏の季節で注意したいのが汗。よく営業マンでも噴き出す汗をハンカチで必死に拭きながら、クライアントに説明している光景を目にする。時間ギリギリで走って来たのかもしれないが、一気に汗が吹き出してしまい厄介な状況になってしまう。そんな経験をした人も多いのでは?

「相手からすると気が散るし、暑苦しく余裕がない人物に見えてしまいます。もしこれが融資の申し込みの現場だったら、相手の担当者からすると、『この人は大丈夫かな?』『時間管理の苦手な人かも』と感じてしまうと思います」(神岡さん)

夏の暑い期間は特に時間に余裕をもって現場に向かうべきだ。できることなら30分前には到着し、近くの喫茶店でもファーストフード店でも、建物のロビーでもよいので、涼しい場所でクールダウンしてから、担当者に会うようにしたい。

■笑顔が難しければ「アヒル口」でもOK!

次に、好感や好印象を持たれる方法を神岡さんに聞いてみた。まずは、「よろしくお願いいたします」と、しっかりと挨拶をする。その際、声と表情の二つが大切。まず大事なのは笑顔。先ほどのメラビアンの法則で明らかなように、人の第一印象は視覚と聴覚の情報、すなわち表情や声で9割が決定されるからだ。

ただし、初対面で緊張していてなかなか満面の笑みはできないという人は、口を少しとがらせ口角を上げる、いわゆる「アヒル口」をするだけでも構わないと神岡さんは言う。口角が上がっているだけで笑顔と同じ印象を相手に与えることができるのだ。

その上でしっかり挨拶をする。ことさら大きな声でなくてもよいが、落ち着いたメリハリのある声での挨拶を心がける。

次に座った時の姿勢。背筋を自然に伸ばし、顎を少し引く。話すときに顎を上げて話す人がいるが、尊大で傲慢な感じになってしまう。かといって顎を引きすぎ、姿勢が悪く猫背だと卑屈で自信のない印象になる。とくに上目遣いになると、目の中央の下に白目が出る「下三白眼」という悪相になる。映画やドラマの悪役がよくこの表情をするが、人を疑っているような暗く陰険な表情になるので注意が必要だ。

また、手の置き方も注意しよう。テーブルやカウンターに肘まで乗せてしまう人がいるが、ずうずうしい印象を与えてしまうのでアウト。乗せるとしたら手首まで。その際、左右の指を胸の前で組む人がいるが、止めた方がよい。相手に対して手で壁を作っている形になり、自分を守っている印象になってしまう。

一番良いのは両手を自分の膝の上に軽く乗せることだと神岡さんは指摘する。そのときに手を握ると交感神経が高まり緊張状態になる。「手に汗を握る」という表現があるように、緊張すると手を強く握る。不思議なことに緊張していない場面でも、手を強く握ると、脳は「緊張する場面だ」と認識し、交感神経が高ぶった状態になってしまうという。手を開いて軽く膝に乗せてやることで、心身ともにリラックスした状態を保つことができるのだ。

■相手の質問にはすべて「はい」で答える

相手に好印象を与える話し方として、神岡さんは相手の質問に対して「はい」という返事から入ることを勧める。そして「はい」と答えた後で相手の質問を繰り返し、その後で答える。たとえば「こちらに年収が書かれていますが、これは額面ですか? それとも手取りですか?」と聞かれたとしよう。「手取りです」とすぐに返事をするのではなく、「はい、そちらに書かせていただいた年収ですが、手取り額になります」と返す。相手は自分の質問をよく聞いて、丁寧に答えてくれているという印象を持つ。

また、語尾を明確にはっきり話すことで自信があり決断力のある人物だという印象を与えることができる。「アナウンサーの方たちがよくやるテクニックで、『~です』『~ます』といた語尾をはっきり、明瞭に発音する。すると頭脳明晰で自信と決断力のある人物に感じるのです」(神岡さん)。

語尾が不明瞭で消えていくような話し方の人は、自信がなく優柔不断な印象を与えてしまう。すると、『この人に融資をしても大丈夫かな?』という不安感を抱かせてしまうので要注意だ。

■「共通項の法則」を駆使して相手と親しくなろう

心理学で「共通項の法則」というものがある。自分と相手の共通項が多いほど親しくなれるというもの。年齢や出身地、趣味や好きなものなど、共通点が多い方が話が盛り上がり、より早く親しくなることができる。皆さんも日常生活やビジネスの現場で大いに経験があるのではないだろうか。

この「共通項の法則」を利用して、担当者とより親しくなることも可能だ。もちろん会っていきなり出身地や趣味など詳しく聞くことはできない。話が終わって帰り際などの雑談で、ちょっと探ってみる。そして2度3度会っているうちに、そんな雑談がたくさんできるようになれば、親近感が高まってくるはずだ。

最近はインターネットやSNSのおかげで、相手の情報を得やすくなった。たとえば会う前に事前に担当者の名前でフェイスブックなどを確認する。すると出身や生年がわかったり、趣味などがわかったりすることもある。そうやって予習をして情報を集め、話の流れや雑談の中で、さりげなく振ってみるというのも方法だ。

たとえば相手が関西出身者だと予習ができたら、話が終わった帰り際などに「お話をしていてちょっと思ったんですけど、もしかして○○さんは関西ご出身ですか?」「はい、そうですけど、どうしてわかったんですか?」「私も関西出身なんで、言葉のちょっとしたイントネーションで、そうかなと思ったんです」、というように共通項を確認する。

当然だが、このときフェイスブックなどで見たことは一切隠しておくこと。調べられたことに対して不快に感じる人もいるからだ。

いまの時代、特に有効だと考えられるのが「大人の言い回し」を身に着けること。学生言葉や幼稚な表現があふれている昨今、そんな中できちんとした日本語、場をわきまえた表現などが使える人はポイントがかなり高くなると神岡さんは指摘する。

たとえば「分かりました」と答えるより「承知いたしました」「かしこまりました」と丁寧語で答える方が落ち着きと教養を感じさせる。間違っても「いま申し上げられた件ですが」など、尊敬語と謙譲語を混同しないこと。この場合は「いまおっしゃられた件ですが」と尊敬語を使う。

敬語や丁寧語はもちろん、幅広く語彙力を高める必要がある。最近の人がとくに語彙力が低下している現状で、「大人の言い回し」を身につければ、それだけで差別化を図ることができると神岡さんは指摘する。

■古典を読むことで教養と語彙力を高めよう

実際、金融機関に勤めている人たちは優秀な人が多く、語彙力も豊富で、言葉の使い方にも敏感な人が多い。しかも仕事が仕事だけに、若いうちから言葉の使い方を細かく指導されてきている。それだけ相手の言葉の使い方にも人一倍敏感な人が多い。そういう人たちにアピールする意味でも、自分の語彙力や表現力を高めておくことが大事になる。

ただし、語彙力は一朝一夕で身につくものではない。それにはやはり本を読むこと。とくに古典を読む。ネット情報だけでなく、本格的な教養を身につけることで、「この人は違うな」「しっかりとした人物だな」という印象を強く与えることにつながる。

■付箋を有効に使うことでより有利に!

書類の提出の仕方も、ちょっとした工夫で差別化を図ることが可能だ。「たとえば重要な箇所には少し大きめの付箋を貼って、ポイントを付箋に書き出しておく。すると一目見ただけで書類の内容がわかり、忙しい融資担当者にとっては非常にありがたい。好印象を持ってもらうことができます」と神岡さん。

書類を渡す時や送る時にも、四角い大きめの付箋に簡単な書類の内容と共に、「よろしくお願いいたします」と一筆手書きでしたため書類に貼っておく。米国の実験で、このような一筆を添えただけで、書類を処理してもらえるスピードが如実に上がったそうだ。

以上、融資担当者に対する印象をよくする方法をいくつか挙げてみた。「一見、単なるテクニックのように思われるかもしれません。しかしこれらによって人の印象は驚くほど変わるのも事実です。ちょっとした意識と工夫で少しでも有利な融資が得られるのであれば、ぜひとも意識に留めておき、有効に活用してほしいと思います」(神岡さん)

○神岡真司 プロフィール
1954年4月8日生。ビジネス心理研究家。日本心理パワー研究所主宰。最新の心理学とビジネススキル向上理論に定評がある。法人対象でのモチベーショントレーニング、組織活性化コンサルティング、心のパワーアップセミナ ーなどで活躍中。

著書に『お金が集まる心理学』『コワいほどお金が集まる心理学』(以上、青春出版社)、『相手にNOといわせない「空気」のつくり方』(宝島社)、『効きすぎて中毒になる 最強の心理学』(すばる舎)、『ヤバい心理学』(文芸社)、『頭のいい人が使うモノの言い方・話し方』(日文新書)など多数。
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:9月4日(月)11時00分

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株式会社ファーストロジック

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