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週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、利上げ期待後退で重い

8月5日(土)0時15分配信 トレーダーズ・ウェブ

◆英早期利上げ期待が後退、ポンドの買い戻しは一段落
◆ポンド、離脱交渉懸念で再び売りが強まる可能性も
◆加ドル、追加利上げ期待を背景とした買い一服も下値は堅いか
(国際金融情報部・金 星)

予想レンジ
ポンド円141.00-148.00円
加ドル円86.00-90.00円

8月7日週の展望
 ポンドは最近のドル安が下支えとなるも、足もとではイングランド中銀(BOE)による早期利上げ観測は後退し、ポンドの買い戻しも一段落か。今週発表された英7月PMIは、建設業が51.9と昨年8月以来の低水準となった一方で、サービス業と製造業は市場予想を上回るなど、強弱まちまちの結果となった。来週は6月の鉱工業・製造業生産が発表される予定だが、さえない結果となれば早期利上げ期待は一段と後退するか。
 今週のBOE金融政策委員会(MPC)では金融政策の据え置きが6対2で決定された。前回利上げ主張のフォーブス氏が退任し、利上げ主張はサンダース氏、マカファーティー氏の2人にとどまった。インフレ報告では、成長と賃金の見通しを下方修正した。4-6月期国内総生産(GDP)が1-3月期に続き低調な伸びになったこともあり、早期利上げ観測を高める内容とはならなかった。BOEが早期利上げに踏み込めば、短期的にはポンドの買い戻しが進むだろうが、欧州連合(EU)離脱にともなう政治・経済の先行き不透明感が払しょくされない限り、大きなトレンドは形成されにくい。
 英国のEU離脱・残留を問う国民投票から1年以上が経っているが、EU離脱をめぐる不透明感はまったく払しょくされていない。メイ首相は政権基盤を固めるために、総選挙を今年の6月に前倒ししたが、与党の保守党は下院の議席を減らして過半数を割り込む想定外の結末となった。秋の党大会などを契機にメイ首相は退陣を迫られ、再度の総選挙に至る可能性も懸念されるなど、政治不安も警戒されている。保守党の敗北は、国民の「ハードブレグジット」を回避したい意向の表れで、強気姿勢で離脱交渉に臨みたいメイ首相の方針にも影響を与えている。
 足もとでは加国内で主な経済指標の発表や注目のイベントはなく、追加利上げを織り込む動きは一段落した。ただ、7月28日発表された5月GDPは前月比+0.6%と、7カ月連続の増加となり、前年比では+4.6%と2000年10月以来の大きな伸びを記録するなど、経済は順調に回復している。追加利上げ期待は根強く、加ドルは当面底堅い動きが続きそうだ。NY原油先物が2カ月ぶりに50ドル台を回復するなど、原油相場の底堅い動きも加ドルの下支えとなる。
 ただ、原油の供給過剰懸念は根強い。原油先物が50ドル台を超えた水準では売りに押されるなど、先高観は高まっておらず、加ドル高に拍車をかける手がかりとはなりにくい。トランプ政権の先行き不透明感や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉にまつわる懸念は加ドルの上値圧迫要因となる。

7月31日週の回顧
 ポンドは前週の流れを引き継ぎ買いが先行。ただ、英金融政策イベントは早期利上げ期待を高める内容とはならず、四半期インフレ報告で成長率予想を引き下げたことを受けてポンドは売りに転じ、ポンドドルは1.31ドル近辺、ポンド円は144円台に押し戻された。加ドルは追加利上期待を背景とした買いが一服し、ドル/加ドルは1.26加ドル台、加ドル円は87円台まで調整売りが進んだ。(了)
小針

最終更新:8月5日(土)0時15分

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