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とれんど捕物帳 一旦沈静化することを期待したいが

4月15日(土)9時35分配信 KlugFXニュース

 先週、ドル円のリバウンドを予想したが、大外れし、逆に下げ幅を拡大する結果となってしまった。市場は北朝鮮問題にかなり敏感になっており、投資家のリスク許容度が極端に下がったようだ。北朝鮮では今月、15日の、故・金日成(キム・イルソン)主席生誕105年記念日や、25日には朝鮮人民軍の創設85年といった記念日が相次ぐ中、一部では月内にXデーがあるといった観測も流れ、核実験への警戒感は根強い。市場の意識が米国のファンダメンタルズや金利の先高感に意識が移れば、ドル円で110円を下回った水準は値ごろ感はあるものと思われるが、なかなか買いも入れづらい状況のようだ。

 リスク回避から米国債利回りが下げていることもドル円の重しとなっている。米10年債は2.23%と昨年11月以来の水準まで低下しており、目安の2.50%を下放れする動きを見せている。FRBが年内あと2回の利上げと、バランスシートの年内縮小開始のおまけ付きも見込まれている中で、昨年11月の水準というのは若干違和感がある。

 余計だったのが、トランプ大統領の「ドルは強過ぎる」との発言だ。国のトップや財務相、中銀総裁などの経済要人が直接、為替相場の水準に触れるのは、相手国のあることなので、あまり好ましいことではないと思う。いずれにしろ、トランプ砲の空爆にロング勢も、自身の見通しも粉砕されてしまった印象だ。

 万一の朝鮮半島有事の際の円相場のシナリオが市場から、ちらほら出ていた。円キャリー取引の巻き戻しや、東日本大震災の時の実績、日本の海外資産のリパトリなどを理由に円高を見込む向きも多い。

 しかし、冷静に考えれば、日本も当時国に含まれる可能性は十分あり、中東や欧州の時のような対岸の火事というわけには行かないであろう。91年の湾岸戦争や03年のイラク戦争の時は、米経済が利下げ局面だったということもあってドル安・円高が見られていた。有事のドル買いという方程式は成立しないのかもしれないが、朝鮮半島有事の場合は原油が絡まない。

 最終的に円高、円安どちらに行くかは現時点では判断しがたいが、現在の米国は利上げ局面であることや、実体経済も1人勝ちの状況からすれば、これまでの中東での有事とは違うシナリオも留意したい。

 そもそも、今回の緊張は希望も含めて、一旦沈静化すると見ている。個人的には、今回のトランプ大統領の最大のターゲットは北朝鮮ではなく中国と考えている。北朝鮮も十分、核保有国だとの認識を世界に広められたであろう。ここでの蛮行は自殺行為に等しい。中国も含めて、お互いの面子の落とし処を探って欲しいものである。

 さて来週だが、イースター休暇中に何もなければ、ドル円のリバウンドも期待したいところではあるが、不透明感も根強く上値は重いであろう。地政学的リスクのほかに、イースター明けから、いよいよ仏大統領選モードに入ってくる。23日が1回目、5月7日が2回目の最終投票だが、現状ではEU離脱など保護主義を主張しているルペン候補は最終投票までは進みそうな気配ではあるが、最終投票の情勢は劣勢のようだ。

 来週のドル円の予想レンジは107.00~110.00と中立を予想する。

 なお、今週の終了直後に米財務省が主な貿易相手の外国為替報告書を発表していた。日本や中国など6ヵ国・地域は引き続き「監視対象」に指定している。円については実質実効為替レートで、過去20年間の平均に比べ20%安いと指摘。一方で、IMFが円は概ね中期的ファンダメンタルズに沿っていると評価していることも挙げていた。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(→)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 下げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓↓↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 上から中立へトレンド変化
短期 ↓↓(↓↓↓)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 上げトレンド継続
短期 →(→)

(みんかぶ「Klug」 野沢卓美)

最終更新:4月15日(土)9時35分

KlugFXニュース

 

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