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サラリーマン大家もどう考えたって「法人」で買うべき! 本質的な3つの理由

3月20日(月)18時20分配信 不動産投資の楽待

(写真© kelly marken-Fotolia)
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(写真© kelly marken-Fotolia)
みなさん、石川貴康です。

さて、今回は「不動産投資は法人が得か、個人が得か」を話したいと思います。実態としては、法人でも個人でも、経費は同じように計上できますし、減価償却もできます。固定資産税も損害保険も差がありませんから、大きな違いはないのです。しかし、そうはいってもそれなりの違いもあるので、簡単に違いを見て、それぞれのメリット・デメリットを比べてみましょう。

■法人で不動産投資をするメリット

法人で不動産投資をするメリットはいろいろあるとは思いますが、だいたい以下ではないかと思います。

(1)利益・所得に対する税率の低さ(ただし、ある程度稼いだ場合)

利益、または所得に対する税率は、ある程度稼いだ場合、法人税の方が低くなります。もちろん、あまり稼ぎがなく、不動産による収入が低く、結果的に所得税の税率が10%、20%程度であれば所得税の方が得です。

しかし、日本は累進課税の国です。所得が高くなるほど所得税率は高くなっていきます。どこが分水嶺か、ということは税率だけでは言いにくいので、ここでは明言しません。とりあえず法人税率は今のところでは23.4%。これに、地方法人税率4.4%。地方税として法人住民税が12.9%(大企業だと16.3%)、均等割7万円(規模に応じて増額)となります。だいたい40%でしょうか。

所得が低い場合は、所得税が有利=個人での投資が有利ですが、不動産の場合はあっという間に数百万の家賃収入となり得るので、これを今勤める会社の給与と合算すると、すぐに税率が上がっていきます。そのため、それなりの規模になる場合、税率を考えるとどう考えても法人での投資が良いと思います。

また、復興税も法人は早々に廃案になりましたが、所得税は2.1%の復興税税率が加算されたまま25年間取られ続けます。

サラリーマン収入と不動産収入が900万円を超えると、33%+均等割り+復興税ですから、合計の収入が1000万円を超える場合は個人の税率が法人を上回る可能性がありますね。しかも、個人は今後も増税され、法人は優遇されていくと思われるので、個人はつらいなあ、と思うのは私だけでしょうか。

(2)損益通算

法人の場合は損益通算ができます。所得税でもあるじゃないか、と思うかもしれませんが、所得税はそれぞれ所得を分けて、変な垣根を設けていて、損しても救済されないケースがあるのです。

不動産投資で赤字になり、他の収入で黒字なら、そのまま利益と損失を相殺できそうなものですが、所得税はそうではないのです。私も過去に痛い目に遭いました。

所得税では、損失のうち、土地に関わる支払利息分は相殺できないという、非常に恣意的な制限があって、損失を損失として創成できないようになっているのです。法人であろうが個人であろうが、一個の経済主体として利益と損失を相殺できるのが当たり前のはずです。しかし、日本の税法では個人はそれが認められず、変な制限があるのですね。

おかしな話ですが、仕方ありません。この点で法人は、利益と損失を普通に相殺できますから、損失リスクがあるなら法人での投資が王道ですね。

(3)欠損金の繰り越しが7年

これは個人にもあるのですが、過去の損失を何年まで遡って今の利益と相殺してくれるのか、ということです。個人は3年ですが、法人は7年です。法人の方が有利ですね。

■法人で不動産投資をするデメリット

法人のデメリットは、ずばり面倒くささです。法人設立が必要ですし、登記も必要、会社用の実印も必要で、印鑑登録もしなければなりません。取締役を置いたり、取締役会を開いたりすることが必要です。金融機関に口座を開く際は登記簿持って来い、印鑑証明持って来いと言われたりして手間がかかります。帳簿をつけるのは当然必須、申告時もたくさん書類を作らなければなりません。

手間とコストが個人よりかかります。しかし、そうした手間も、結局はちょっとしたことであって、個人でも似たような手間がかかりますから、どっちもどっちでしょうね。

■個人で不動産投資をするメリット

法人との比較で、個人で投資するメリットはさほどないように思います。思いつくとすると、個人で不動産を売却する際の譲渡所得でしょうか。特に長期譲渡所得です。

これも所得税の変なところですが、不動産を売却すると譲渡所得という所得に分類されて独自の税率計算が適応されます。この税率は、短期だと高くなり、長期だと安くなるのです。一説に、バブル期のような短期売買で市場が過熱するのを抑制するために設定したようです。

ここでいう長期とは、不動産を売った年の1月1日が、所有期間で5年を超えている場合です。短期は5年以下の場合。

長期譲渡所得の場合は、税率が所得税15%、住民税5%、かつ所得税の税額に復興税2.1%です。分離課税で、他の所得とは合算せず、これで終わりなのです。もし、所得税率がこれより高い場合はお得感が出ますね。

一方、短期では所得税30%、住民税9%、かつ所得税の税額に復興税2.1%です。税率が19%もアップしますから、インパクト大です。私もかつて個人で売却した時は、その時点で長期になるか、短期になるか、非常に気にしました。幸い長期でしたので、長期譲渡所得として処理できたので助かりました。

意外と5年経過するまでは長いのです。特に、失敗物件を個人で買ってしまい、売却が短期になると税率39%+復興税ですから、大変でしょうね。え!? 失敗物件は売ると損失だから、どうせ税率ゼロ!? どうなのでしょうかね?

■個人で不動産投資をするデメリット

さて、個人でのデメリットですが、これは、法人で投資する際のメリットの逆です。所得税の税率が累進課税なので、稼ぐほど、利益が出るほど高くなるわけです。懲罰的な税法ですね。もっとシンプルにして、安くして、お金を残す喜びを味わって、経済が活性化するような税法にすればいいのに、と思いますね。

それから最大のデメリットはローン時に連帯保証人を要求されることでしょう。これは、人質ですから、逃げられません。また、日本はノンリコースを採用していないので、ローン返済が滞ると担保不動産以外の財産まで取られますから、責任が大きくなる個人の投資は破産リスクが大きいのです。

最近の法人投資では代表取締役の個人補償もとらないようになってきましたし、確かとってはいけないという金融庁の指導もあったと思うので、今後はやはり有限責任の法人で投資した方が良いかもしれませんね。

■その他の法人でのメリット

その他もメリットでは以下があると思います。まず、売却時に不動産自体を売るのではなく、法人を売買することで、不動産を直接売るよりも、税額が押さえられる可能性があります。不動産を持つ法人の売買ということです。

法人は法人の評価額で売り買いになります。もし、その法人が不動産を持つと同時に負債を抱えていると、相殺して純資産評価されます。純資産としての相殺評価により、不動産そのものの評価ではなくなるわけです。一方、個人では不動産はそのまま評価し、残債は売却した不動産のお金で支払います。

法人は資産と負債の相殺による正味の評価額で売買することができる一方、個人での不動産は不動産のみの資産評価額で売買されるので、取引のフレキシビリティが落ちます。ま、市場が非効率な状態では、これは売り側のメリット(出口としてのメリット)ではなく、買う側のメリットかもしれませんね。

それから、相続でも法人として相続するか、個人として相続するかといった比較もできます。上記を鑑みると、法人が不動産を所有していても、同様に負債があれば株式評価としては純資産評価となると想定できるので、不動産そのものの評価での相続ではないと思います。

非上場会社の株式評価の方法が相続税法上規定されているので確認してみてください。私の想定では、個人で不動産そのものを評価するよりも有利だろうということです。実際は、ケースバイケースかもしれませんね。

■注意事項! 税に関することはきちんと税理士と相談しましょう

さて、ここまで書いてきましたが、法人で投資するにも、個人で投資するにも、その違いは税法に大きく左右されると思います。私がここに書いたのは、私の経験による判断であって、実態はケースバイケースです。また、時期により税法も変わりますし、精緻に、かつ正確に考える必要があります。税法に関することは必ず税理士に相談し、正しく納税をしましょう。

みなさん、自分で考えて結論を出してくださいね。自分で調べ、考えないといけませんよ。これから厳しい世の中になるでしょうから、自律して稼ぐ力を身につけましょう。
石川 貴康

最終更新:3月20日(月)18時20分

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株式会社ファーストロジック

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