ここから本文です

41歳、貯金500万。3900万円の住宅ローンを組み完済は76歳です

3月20日(月)20時36分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆住宅ローンを支払いつつ、教育資金、老後資金は用意可能?

住宅ローンの支払いが70代まで続く
拡大写真
住宅ローンの支払いが70代まで続く
「しばふ」さんの家計収支データ
拡大写真
「しばふ」さんの家計収支データ
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、住宅ローンを支払いつつ、教育資金等がつくれるか不安な40代の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
しばふさん(仮名)
女性/会社員/41歳
東京都/持ち家・マンション

■家族構成
夫(41歳/会社員)、子ども(1歳)

■相談内容
昨年、子どもが生まれ手狭になり、マンションを購入しました。夫婦とも40代のため、教育費や老後資金が不安です。

■ 家計収支データ

■家計収支データ補足
(1)加入保険の内訳
・夫/終身保険(60歳払込終了、死亡保障200万円、他)=保険料3万5000円
・夫/医療保険=保険料8000円
・妻/医療保険(60歳払込終了、死亡保障300万円)=保険料2万円
・妻/変額身保険(60歳払込終了、死亡保障750万円)=保険料2万円

(2)住宅ローンの内訳
物件価格4450万円、諸費用200万円、頭金750万円、フラット35/35年返済、毎月の支払額13万円、ボーナス併用はなし

(3)ボーナスの使いみち(昨年例)
貯蓄40万円、新居用の家具等の購入30万円、帰省費用10万円。半分貯蓄、半分新築用の家具購入や帰省時の交通費

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 完済時期をいかに短縮するかがポイント
アドバイス2 退職金によっては老後資金も用意可能
アドバイス3 家計見直し、一括返済を目指すのもいい

◆アドバイス1 完済時期をいかに短縮するかがポイント

まずは住宅ローンの返済から見ていきます。

ポイントは、完済時期がご主人76歳という点。少なくとも65歳までに短縮したいところです。ご夫婦ともに何歳まで働かれるかはわかりませんが、仮に65歳までとすれば、それ以降の収入は公的年金だけとなります。2人とも厚生年金加入ですから、このまま定年まで会社員を継続できれば、それなりの額の老齢年金(夫婦合算で額面25万~30万円)を手にしますが、それでも、その後12年間毎月13万円のローン負担は決して軽くはありません。

住宅ローンがすでに低金利であること(借入額3900万円なら、35年固定で金利2.0%未満)を考えれば、返済期間の短縮には、借り換えを検討するのと並行しながら繰上返済を行うことが現実的でしょう。ただし、借入額が大きいため、10年以上の短縮にはかなりまとまった資金が必要となります。

たとえば10年後に500万円、期間短縮型で繰上返済をすれば、5年ほど返済期間が短縮でき、支払利息は285万円軽減されます。それでも、65歳まで短縮するには、定年までに少なくとも1000万円超の繰上返済が必要になります。繰上返済を実行するまで時間が必要であることから、まず超低金利の内に借り換えの相談を銀行にしてみてください。

◆アドバイス2 退職金によっては老後資金も用意可能

さて、教育資金や老後資金づくりと平行しながら、実際にこれだけの繰上返済ができるでしょうか。現在の貯蓄ペースが毎月8万円、ボーナス40万円ですから、年間136万円。この場合、60歳までの19年間で約2600万円。今後、生活費がアップする可能性もありますが、奥様が時短勤務から通常のフルタイムに戻れば、収入もアップするはず。それにより支出増が相殺されるとすれば、ほぼこの金額は貯められると考えられます。

そこから、お子さんの大学費用として500万円(理系に進学する場合を想定して)を差し引いて2100万円。さらに繰上返済分として1000万円を引いても1100万円が残ります(実際は今ある貯蓄と合わせて1650万円)。ご夫婦の退職金額はわかりませんが、それでもそれが加われば(一般的な額と想定すれば)、老後資金はさほど困ることのない額が用意できるということになります。

ただし、不安要素があるとすれば、まずお子さんが中学、高校から私立に通う場合。仮に、中学から通えば高校卒業までの6年間で、600万~700万円は上乗せしないといけません。

また、退職金が思いのほか少なかったというのも、リスク要因になります。そしてもうひとつが、60歳から公的年金が支給される65歳までの5年間。定年延長もしくは再雇用制度、あるいは再就職でどれだけの収入を得られるか。もし、何らかの理由で働けない、あるいは収入が極端に低いと、その間、貯蓄に頼らざるを得ません。毎月、住宅ローンの支払いと生活費で25万円程度(税金、社会保険料込み)は少なくともかかるはず。つまり、先の老後資金の試算は、この5年間に1500万円程度の収入=貯蓄を大きく取り崩さない、ということを見込んでの結果となるわけです。

◆アドバイス3 家計見直し、一括返済を目指すのもいい

そういったリスクにも備えるのであれば、貯蓄ペースは現在でも十分高いのですが、さらに引き上げるのがもっとも効果的です。

しかし、家計収支を見る限り、全体に無駄もなくよく管理されています。見直すとすれば、保険でしょう。ただし、フラット35を利用している場合、団体信用生命保険の加入が任意となりますので、ご相談者が加入しているかどうかで、必要死亡保障額が変わってきます。また、住宅ローンは夫婦名義なのか、ご主人だけなのかでも、それぞれの必要額が異なります。

仮に団信に加入し、ローン名義はご主人だけとすれば、現状を考えれば、夫婦それぞれ1500万円程度の保障があれば十分でしょう(団信未加入であれば、少なくともローン残高分を保障額に上乗せ)。

具体的な見直しですが、奥様の変額終身保険ですが、払済保険にして、新たに死亡保障1500万円、保険期間10年の定期保険、もしくはそれに相当する収入保障保険に加入します。保険料は月額2500円ほどです。

医療保険は保険料から考えて貯蓄型でしょうか。あるいは、ご相談者にとって必要な保障や特約が付いているために割高なのか。もし、前者であって、払済保険にできる商品、あるいはできなくとも解約して元本割れしないのであれば、これも見直したいところ。終身保障終身払いで入院5000円のシンプルな医療保険であれば、こちらもやはり保険料は2500円ほど。奥様だけで3万5000円、支払い保険料が下がります。

これに家計をやりくりして月4万円、貯蓄額をアップさせると、月12万円の貯蓄となります。ボーナスからは頑張って56万円を貯蓄に回せば、年間でジャスト200万円。19年間では3800万円貯蓄できる計算になります。今ある貯蓄と合わせて4350万円。これだけまとまった額になれば、繰上返済ではなく、一括返済という選択肢も生まれます。途中一度も繰上返済をしていなければ、ローン残高は55歳の時点で2600万円、60歳の時点で2000万円ほど。おそらく、この間で一括返済を行うことは十分可能でしょう。

まずは焦らず、少なくとも今の貯蓄ペースを維持し、今後いろいろな選択肢を探ってみてください。

教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん

業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武
All About ガイド:あるじゃん 編集部

最終更新:3月20日(月)20時36分

あるじゃん(All About マネー)

 

【あわせて読みたい】

このカテゴリの前後のニュース

不動産投資コラム(楽待)

ヘッドライン