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35歳独身、貯金1000万円。年収が200万円下がり悩む

3月20日(月)8時08分配信 あるじゃん(All About マネー)

◆今の貯蓄ペースで老後資金を作るにはどうすれば?

貯金ペースが落ちて老後が心配に
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貯金ペースが落ちて老後が心配に
「ごましお」さんの家計収支データ
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「ごましお」さんの家計収支データ
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、貯蓄ペースが上がらない35歳の女性会社員。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料になります)

■相談者
ごましおさん(仮名)
女性/会社員/35歳
東京都/借家

■家族構成
独身、一人暮らし

■相談内容
貯蓄ペースが遅いことと、老後資金の作り方について悩んでおります。昨年4月に転職して、家賃補助も鑑みると年収が実質200万円近く下がりました。家計を見直したつもりですが、残業代をあてにしない収支が構築できず、困っています。収入は微増しか望めず、支出減と投資しか道はないと考えています(投資と貯蓄の割合では迷っている)。先日、保険の見直しのためにFPの方に相談したら、私の貯蓄額を聞くや否や、保険での運用を強く勧めました。運用実績はよいものの、保険での運用には抵抗があります。リスクやコスト面などで問題ないのでしょうか。こんな状況ですが、あまりに現在の部屋が手狭のため、引越しも検討しており、家賃の予算を1万円ほど上げたいとも考えています。現状を考えると無理でしょうか。ちなみに結婚は希望しておりません。

■家計収支データ

■家計収支データ補足
(1)残業代について
現在の部署は残業代が月2万~6万円ほどあるが、職場全体としては残業が少ないため、異動になり残業代がなくなった時点で赤字に転落する。残業代は赤字補てんをしてそれでも残った場合、趣味・洋服または貯蓄にまわす。

(2)投資について
これまで投資信託で50万円ほど利益を出している。貯蓄から月3万円程度を投資信託にまわそうかと考えているが、不安で踏み出せない。

(3)ボーナスの使いみち(昨年冬実績)
貯蓄26万円、帰省(親戚)6万円、洋服5万円、趣味・レジャー8万円

(4)加入保険の内訳
母親が脳疾患で入退院を繰り返し医療費用等で苦労したため、保障が少ないことに不安に感じる。
・本人/医療保険(終身タイプ、60歳払い込み、名義本人、入院5000円、2011年加入)=保険料2万9000円※年払い
・本人/がん保険(終身タイプ、終身払い、名義本人、入院・通院1万円、診断一時金100万円、2010年加入)=保険料2500円
・本人/終身保険(44歳払込終了、死亡保障500万円、44歳払い込み、受取人/祖母、2010年加入)=保険料1万5000円

以下、乗り換え検討の保険
・医療保険(終身保障終身払い、入院5000円、三大疾病診断一時金75万円)=保険料3900円
・がん保険(終身保障終身払い、がん治療月10万円、三大疾病通院1万円)=保険料1万3000円※年払い

(5)家賃について
治安、防犯、清潔感を重視したいので、要件を満たす物件23区内で探すと現在と同等の家賃、更に今よりもう少し広さを求めると8万円超になってしまう。大震災の経験や自分の体調面から、長時間通勤になるエリアへの転居も避けたい。

(6)趣味娯楽費の内訳
洋服・美容2万円、交際費1万2000円、本・趣味・旅行など2万3000円。本当はプラス1万円でヨガ教室に行きたいとも思っているが、家計が苦しいのであきらめている。

(7)昇給、退職金、キャリアアップなどについて
50歳くらいまでは毎年5000円~6000円ずつ昇給予定。退職金は25年以上の勤務で1000万円を超える。今年の4月から企業型確定拠出年金が導入予定。管理職ポストは出向者で埋められるので、役職という意味でのキャリアアップは難しい。副業は禁止されている。転職は今のところ考えていない。

(8)住居について
70歳前半まで賃貸に住み、以降は高齢者用マンションか老人ホームに入るのが理想。ただし、55~60歳時点の資産状況・不動産価格によってはマンション購入という夢もある。両親はすでに他界し、実家に住むという選択肢はない。

(9)平成28年2月に奨学金130万を繰上返済している。

■FP深野康彦からの3つのアドバイス
アドバイス1 死亡保障よりも住居費用を優先すべき
アドバイス2 節税効果も高い確定拠年金はぜひ利用を
アドバイス3 マンション購入は夢ではなく現実的な選択

◆アドバイス1 死亡保障よりも住居費用を優先すべき

悩まれている家計改善ですが、一方で、引っ越しを希望されている。家賃は1万円アップですから、さらに収支はきびしくなります。ただし、ご相談者のごましおさんにとっては、住環境は大きな意味があると思います。居心地が良く、通勤の負担も軽い住居は、今後も一人暮しを続け、日々正社員として元気で働くための「必要経費」なのでしょう。だとすれば、それを優先した上で、家計改善をどうすべきかを考えてみます。

効果的なのは保険の見直しです。すでに、ごましおさんは保険の見直しを検討されていて、その案も合わせて送ってくれました。がん保険、医療保険についてはトータルで支払う保険料は変わりませんから、必要な保障内容がしっかり確保されていればいいと思います。

問題は「見直さない」としている終身保険です。受取人を祖母にされていることを考えても、死亡保障は確保する必要性は低いですし、万が一のことがあれば貯蓄が残ります。貯蓄性という点でも予定利率は高くありません。払済保険にして、浮いた保険料を貯蓄すべきです。

もちろん、FP相談を受けられ、保険による運用を勧められた点についても、ごましおさんが疑問視されているとおり、現状では何のメリットもありません。その理由は、そのまま現在加入の終身保険にも当てはまるのです。

保険の見直しで月1万5000円コストが減れば、そのまま家賃上昇分をカバーできます。また、趣味としてヨガ教室にも通いたいということですが、であれば、他の支出を削る作業をしてください。「趣味・娯楽費5万5000円」という予算枠の中でやりくりして、その費用を捻出すれば、追加の支出は発生しません。

◆アドバイス2 節税効果も高い確定拠年金はぜひ利用を

一方、貯蓄ペースを高めるためには、ボーナスがカギとなります。

現在、約半分は貯蓄されていますが、今後どれだけ貯蓄分を上積みできるか。毎月の給与では貯蓄ペースが上がらない、また、残業のない部署に異動したら貯蓄が難しいのであれば、ボーナスの活かし方が今後の貯蓄を大きく左右することになるからです。

ごましおさんが言われように、投資で増やすという発想もあります。その割合ですが、独身であり、すでに投資経験もありますから、上限を3分の1とすればいいと思います。年間100万円貯蓄できるとすれば、そのうち投資に回すのは30万~35万円といったところでしょう。

確定拠出年金の利用もお勧めです。引き出しは原則60歳以降ですから、主な目的が老後資金となりますが、当然その準備も必要ですし、掛け金は所得控除が利用可能、運用益に対する非課税等、節税効果は大きなメリットとなります。

◆アドバイス3 マンション購入は夢ではなく現実的な選択

最後に老後資金ですが、先の確定拠出年金で一定額を運用していくだけで、現時点では十分。今とはともかく、貯蓄ペースを上げていくことを第一に考えてください。

住居についてはずっと賃貸で住み続けても、70歳代後半から老人ホーム等に移るという選択肢も、不可能ではありません。厚生年金の加入ですし、まとまった退職金ももらえるのも心強いです。ただし、75歳くらいまで、今と同等の家賃を支払い続けることは、それなりの家計負担であることを覚悟してください。

したがって、正社員である期間は貯蓄ペースを崩さないことと、少なくとも65歳まで、元気ならそれ以降も働いて収入を得るということが条件となります。また、60歳以降は徐々に投資の比率を下げ、あまりリスクを取らないことも大切です。

また、そういう点から考慮すれば、相談文にある「55~60歳でのマンション購入という夢もある」も、実は現実的だと言えます。仮に年間70万円貯蓄(他に投資に30万円)できたとします。20年後、55歳のときに1400万円。諸経費100万円を上乗せしても、1300万円の物件を現金で購入できます(しかも貯蓄と投資商品で1000万円超手元に余る)。その後は、ランニングコストとして管理費と固定資産税で年間25万~30万円といったところ。将来にわたって高い家賃コストを背負うよも、家計リスクは軽減されます。

ただし、1300万円の予算で希望の物件があるかどうか。20年後の不動産市況は読めませんが、一人暮らし用で中古としても、程度のいい物件であれば立地は少し郊外になるかもしれません。

また、住宅資金の不足分は住宅ローンを利用するのであれば、返済期間が一定期間確保できるという点で、前倒しで今から5年後、10年後の購入も選択肢としてはあるでしょう。その場合、借入額は、ローンの支払いの月額にランニングコストの月割りを加え、それが家賃を超えない範囲というのがひとつの目安となります。

ともあれ、どういう方向になってもいいように、ボーナスをメインに貯蓄に励むことが大事となってきます。

教えてくれたのは……
深野 康彦さん

業界歴26年目のベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文/清水京武 
All About ガイド:あるじゃん 編集部

最終更新:3月20日(月)8時08分

あるじゃん(All About マネー)

 

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