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日銀・黒田総裁会合後の会見3月16日(全文1)金融緩和策、現状を維持

3月16日(木)17時32分配信 THE PAGE

日銀・黒田総裁会合後の会見1月31日(THE PAGE編集部)
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日銀・黒田総裁会合後の会見1月31日(THE PAGE編集部)
 日銀は16日、金融政策決定会合を開き、現行の金融緩和政策の維持を決めた。午後3時半から黒田東彦総裁が記者会見して決定内容などを説明する。

 引き続き、短期金利はマイナス0.1%、長期金利はゼロ%程度で推移させる。国内景気については「緩やかな回復基調を続けている」との現状判断を据え置いた。

本日の決定会合の決定内容とその理由について

産経新聞:幹事社の産経新聞です。よろしくお願いいたします。まず1点、本日の決定会合の決定内容と、その理由についてお聞かせください。

黒田:はい。本日の決定会合では長短金利操作、いわゆるイールドカーブ・コントロールの下で、これまでの金融市場調節方針を維持することを賛成多数で決定しました。すなわち短期金利について日本銀行当座預金のうち、政策金利残高にマイナス0.1%のマイナス金利を適用するとともに、長期金利について10年物国債金利が0%程度で推移するよう長期国債の買い入れを行います。買い入れ額についてはおおむね現状程度、買い入れペース。すなわち保有残高の増加額、年間約80兆円をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営することとします。

 また長期国債以外の資産買い入れに関しては、これまでの買い入れ方針を継続することを賛成多数で決定しました。わが国の景気については緩やかな回復基調を続けています。やや詳しく申し上げますと、海外経済は新興国の一部に弱さが残るものの緩やかな成長が続いています。そうした下で輸出は持ち直しています。国内需要の面では設備投資は企業収益が改善する中で、緩やかな増加基調にあります。

 個人消費は雇用、所得環境の着実な改善を背景に底堅く推移しています。この間、住宅投資と公共投資は横ばい圏内の動きとなっています。以上の内外需要の緩やかな増加に加え、在庫調整の進捗を繁栄して、鉱工業生産は持ち直しています。また金融環境については極めて緩和した状態にあります。

 先行きについては、わが国経済は緩やかな拡大に転じていくとみられます。国内需要は極めて緩和的な金融環境や政府の大型経済対策による財政支出などを背景に、企業、家計の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続する下で増加基調をたどると考えられます。輸出も海外経済の改善を背景として、基調として緩やかに増加するとみられます。

 物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は0%程度となっています。予想物価上昇率は弱含みの局面が続いています。先行きについては消費者物価の前年比はエネルギー価格の動きを反映して0%程度から小幅のプラスに転じたあと、マクロ的な受給バランスが改善し、中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれて、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられます。

 リスク要因としては米国経済の動向や、その下での金融政策運営が国際金融市場に及ぼす影響。中国をはじめとする新興国、資源国経済の動向。英国のEU離脱問題の帰趨や、その影響。金融セクターを含む欧州債務問題の展開。地政学的リスクなどが挙げられます。日本銀行は2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続します。

 また生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続します。今後とも、経済物価金融情勢を踏まえ、物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため必要な政策の〓調節 00:04:42〓を行います。

産経新聞:2点目の質問、お願いします。米国が堅調の経済指標や物価情勢を踏まえて利上げを決めました。一方でECBも昨年12月の理事会で今年末までの緩和延長を決めてはいるものの、ユーロ圏内の2月の消費者物価指数は前年同月比で2%上昇しています。日本の物価上昇は取り残されているともいえるのではないでしょうかと思います。各国の事情も踏まえて、それぞれの理由についてどう捉えていらっしゃるか、お聞かせください。

黒田:米国、欧州、およびわが国の消費者物価の動向を見ますと、既往の原油価格の下落に伴う押し下げ寄与が縮小する下で、いずれの地域においても、いわゆるヘッドラインの物価上昇率が高まる傾向にある点では共通しているわけですが、エネルギー価格を除いた基調的な物価の動きには差があります。すなわち米国では労働市場で雇用が拡大し、賃金が緩やかな上昇を続ける下で、コアベースのインフレ率は前年比プラス1%台後半での推移を続けております。

 欧州ではコアベースのインフレ率は前年比プラス1%弱で推移しており、この点、ECBは基調的なインフレ率の上昇トレンドはまだ明確に見られていないとしております。この間、わが国では生鮮食品を除く消費者物価の前年比は1月はプラス0.1%と、2015年12月以来のプラスに転じましたが、生鮮食品とエネルギーを除くベースで見ると、昨年初以降、前年比プラス幅の縮小傾向が続いたあと、このところは一進一退の動きとなっており、1月はプラス0.2%となっております。

 こうした動向を踏まえ、物価については2%の物価安定の目標に向けたモメンタムは維持されているがなお、力強さに欠けていると判断しております。もっとも先行きについては、展望レポートで示しているとおり、マクロ的な需給バランスが改善し、中長期的な予想物価上昇率も高まるにつれて、2%に向けて上昇率を高めていくと考えております。日本銀行としては今後とも2%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するため、現在の長短金利付き量的・質的金融緩和の下で強力な金融緩和をしっかりと推進していく所存でございます。

産経新聞:3点目の質問です。昨日、春闘の集中回答日の結果、小幅ながら4年連続でベア実施となる見通しとなりました。今年の春闘の受け止めと、物価に与える影響はどう見ていらっしゃるかお聞かせください。

黒田:はい。ご案内のとおり、春闘については現在、労使間で交渉が行われておりまして、全体の賃金設定動向には、なお、見極めが必要な状況であるというふうに考えております。その上で昨日の大企業の集中回答の結果を見ますと、多くの企業において4年連続でベースアップの実施が見込まれております。

 従来から申し上げましておりますとおり、日本銀行は企業収益や賃金の上昇を伴いながら消費者物価上昇率が緩やかに高まっていくという好循環を作り出していくことを目指しております。4年連続でのベースアップの実現、実施に向けた動きはこうした経済の好循環の実現を後押しするものであると思います。今後とも労使双方において好循環実現に向けた前向きの取り向きが広がっていくことを強く期待しております。

産経新聞:ありがとうございました。各社さんお願いします。

黒田:はい、どうぞ。

米利上げを受け、新興市場を中心とする世界の金融市場への影響について

全文2時事通信:ありがとうございます。時事通信社〓タカハシ 00:08:52〓と申します。米利上げについて、新興市場を中心とする世界の金融市場への影響をどう考えてらっしゃるか、まず1点目としてお聞かせください。で、2点目ですが、ドイツのバーデン・バーデンで17日からG20、財務相・中銀総裁会議が始まりますが、世界経済の成長に向けて自由貿易の重要性や為替の安定などに関して、G20がどういうメッセージを打つのかが注目されていると思います。会議の見通しと総裁自身、何を期待されるのか、お聞かせください。

黒田:FRBの金融政策運営自体について何か具体的にコメントするっていうことは差し控えたいと思いますけれども、ご案内のとおりFRBは事前の市場の予想どおり0.25%の利上げを実施いたしました。で、その声明文ではインフレ率は最近上昇しており、長期目標である2%に近づいている。エネルギー、食品を除くインフレ率はほとんど変化がなく、2%を幾分下回る水準というふうに評価をしております。またイエレン議長は記者会見におきまして米国の経済状況は雇用と物価の目標を達成し、維持するための金利の上昇を制度化する形で展開すると予想しているという従来からの目標を確認いたしております。FRBは今後とも米国の経済物価動向や、それから世界経済、金融情勢を見極めながら金融政策に関する判断を適切に行っていかれるものというふうに考えております。

 現時点で、米国における金利の上昇っていうものが、新興国の経済に何か深刻な影響を与えているというような状況にはないと思っておりますけれども、もとより新興国もさまざまでありますので、今後とも国際金融情勢が新興国に与える影響については、注意深く見ていく必要があるというふうに思っております。

 それからG20につきましては、これはまだこれから、今週末に行われるということですので、具体的なことを申し上げる状況にありませんけれども、G20ですから会合ではいつものとおり、世界経済の現状と先行き、それから国際金融情勢について議論が行われると思います。またG20として従来からの成長戦略の実施状況や、あるいは金融規制の改革、国際金融アーキテクチャーなども、などについても引き続き議論をしていくということになろうかと思います。

 なんと言いましても今回のG20では米国の新政権の下でムニューシン財務長官が初めて出席されるということですので、当然、米国の経済政策等についても深い関心が持たれるのではないかというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、G20はいつもそうですけれども財務大臣・中央銀行総裁会議が何度かありまして、最終的にG20の首脳会議に向けて合意を深めていくというプロセス。ドイツが議長国となった最初の出発点であるというふうに思っております。

日本経済新聞:日経新聞の〓イシカワ 00:12:58〓といいます。1点、お伺いしたいのはマーケットでは日銀が長期金利の操作目標を年内どこかの時点で引き上げるのではないかというような、そういう観測も出ています。で、量についてはオーバーシュートでやるということで、割と明確に解除の条件を定めているわけですけれども、長期金利をいつ上げるかっていう、そこの情報が少し不足しているような、と思います。日銀としてどういう条件が整ったら長期金利の目標を引き上げるというのか、検討の視野に入ってくるのか。そこの条件のようなところについて、少しお話いただければと思います。

黒田:日本銀行が昨年の9月に導入いたしました、長短金利操作付き量的・質的金融緩和というこのフレームワークの下で、経済、物価、金融の状況を踏まえながら、2%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために、最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促すということにしておりまして、当然のことながら、長期金利の操作目標につきましてもこうした考え方に立って、毎回の金融政策決定会合において、判断していくということになります。

 金融政策はご案内のとおり、この金融市場、あるいは金融機関を通じて効果が、実体経済にはっきりしていくというものですので、その運営に当たっては政策に関する考え方、あるいは前提となる経済、物価情勢についての判断をできるだけ分かり安く説明して、理解を得ていくということが大変重要だと思います。ただ現状では2%の物価安定の目標までにはまだ、なお距離がありまして、これをできるだけ早期に実現するためには現在の金融市場調節方針の下で、強力な金融緩和を推進していくということが適切だというふうに考えております。

G20の声明文、リスク要因について

読売新聞:読売新聞の〓***00:15:20〓です。質問、2点あります。1つは、先ほどG20についてお話ありましたが、声明文の素案では、保護主義に対抗するといった言葉や通貨安政策の回避といった文言が削除されるという報道もあるのですけれども、あらためまして黒田総裁はどのような形で、議論の場で訴えていかれるのかということをお聞かせください。

 もう1点はリスク要因、今日の〓冒頭文 00:15:50〓の中でリスク要因として、米国経済の動向や、そのもとでの金融政策運営が与える影響ということを書いていらっしゃるんですけれども、この辺り、もう少し詳しくお聞かせください。

黒田:まずG20の声明文ですが、これはまだ事務方でいろいろ議論をしており、さらにはG20の実際の会議を踏まえつつ、現地で事務方がいろいろ詰めていくという話ですので、現時点で私からは声明文の内容について何か申し上げることは避けたいと思いますが、従来からG20と限らず、IMFCにしてもOECDにしても、保護主義が世界貿易の伸び率を低下させるということになると世界経済の成長自体にも良くない影響があるということで、自由な貿易、投資体制というものを維持していく必要はあるということは従来からいわれていまして、その点について私も含めて日本の考え方が変わるっていうことはないと思います。

 為替については、これは財務省の所感ですので、私からは何も申し上げられませんけども、為替政策についての考え方についても、国際的な議論、合意がずっとできておりますし、財務省が何か考え方を変えたというふうには私は認識しておりません。

 それから米国の経済のことですが、米国経済自体はご案内のとおり、非常に順調に成長しておりまして、特にこの雇用、所得環境が改善する中で家計支出を中心にこの回復しているわけですけれども、それだけでなく、かなり企業部門を含めて広い分野で、米国経済は全体として改善しているということは確かであります。
 で、特に個人消費がしっかりと伸びておりますし、また雇用は最近のデータでも非農業部門の雇用者数が23.5万人も増加したっていうことで、消費の伸びを支える雇用所得環境の着実な改善というものも続いてるということでありますので、米国経済自体について、そんなに心配する必要があるとは思っておりません。

 で、他方でもちろん、FRBは物価の安定と雇用の極大化っていうことに向けて、しっかりした政策を続けておられますし、また政府はこの新しい政権になって、減税あるいはインフラ投資という形で財政の拡張を主張しておられまして、これは両方とも議会で法案、ないし予算が通らないと実現できませんので、その状況は今後の在り方次第だと思いますし、また通商関係についての政策についてもまだ具体的なものが出てきてるわけではありませんので、そういった意味で、政府の財政政策であるとか、政府っていうか政府と議会ですね。財政政策であるとか、規制緩和などを中心にした構造改革などについてもまだ具体的な政策が出てきておりませんので、そういった面で不確実性が残っているということだと思いますが、米国経済自体は現状も先行きもかなりしっかりしているというふうに思っております。

【連載】日銀・黒田総裁会合後の会見1月31日 全文2へ続く

最終更新:3月20日(月)5時41分

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