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原価割れでビールを売ったら罰則、ビールがますます買いにくく

3月16日(木)8時10分配信 THE PAGE

 今年に入ってビール類の店頭価格が上昇しています。昨年の法改正によって、今年の6月から原価割れで販売した小売店には罰則が科されることになりました。値上げはこれを見越した動きとみてよいでしょう。ビール大手5社の出荷量は前年割れと不振が続いていますが、さらに値上げということになると、ますますビールが買いにくくなってしまいます。

目玉商品の激安ビールはなくなる

[イメージ写真](アフロ)
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 昨年5月、「酒税法」と「酒類業組合法」が改正となりました。酒類販売の業界には、メーカー側が小売店に対して、「リベート」と呼ばれる多額の販売奨励金を支払う慣行があり、これが安値販売の原資となっていました。

 しかし、改正法では安値で販売することが事実上禁止されたほか、リベートの支払いについても基準が厳格化されています。適用になるのは今年の6月からですが、メーカー側は適用後を見越して、リベートの条件を厳しくしています。このため小売店は大胆な安値販売ができず、店頭価格が徐々に上昇しているというわけです。

 特に大きな影響を受けているのが、大量の安値販売を行っている量販店です。目玉商品として激安のビールを全面に出せなくなることから、全体の販売動向への影響も懸念されています。一方、商品を原則として定価で販売してきたコンビニは、量販店やスーパーとの価格差が縮小することからむしろ追い風になるかもしれません。

財政難の現状においては貴重な財源

 今回の法改正は小規模な酒屋などの組合が強く求めたものといわれています。量販店での安値販売を禁止すれば、街の酒屋さんに顧客が戻ってくるという算段ですが、量販店やスーパーでの購入は価格だけが理由ではありませんから、そう簡単に状況が改善するとは限りません。短期的には価格の高いビールの影響が大きく、販売本数の減少が懸念されています。

 もっともビールについては、税率の変更も同時に進められています。昨年末に出された2017年度税制改正大綱にはビールの減税が盛り込まれました。現在、350ミリリットル缶あたりの税額はビールが77円、発泡酒が47円、新ジャンルが28円となっていますが、2020年からはビールを段階的に減税し、発泡酒と新ジャンルについては逆に増税します。最終的には2026年にすべての税率が54.25円に一本化される予定です。ビールの愛好家には朗報ですが、発泡酒派や新ジャンル派にとってはさらに厳しい時代になるでしょう。

 日本はビール類にかかる税率が高く、諸外国に比べて価格が高いことで知られています。一方、日本の酒税による税収は約1兆3600億円もあり、財政難の現状においては貴重な財源となっています。ビール類を諸外国並みに安く楽しむことは難しそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3月17日(金)5時39分

THE PAGE

 

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