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金融機関が本当はずっとPRしたくなかった 最近話題のiDeCo(イデコ)とは?

1月18日(水)12時40分配信 THE PAGE

今まであまり宣伝されてこなかったiDeCoとは?(写真はイメージ、提供:アフロ)
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今まであまり宣伝されてこなかったiDeCoとは?(写真はイメージ、提供:アフロ)
 最近、新聞やマネー雑誌を読んでいると“iDeCo”という文字が時々目に飛び込んできます。iDeCo、普通に読めばイデコと読めますが、なんだか不思議な名前だけれど、これはいったい何なのだろう?と思っている人も多いと思います。来月あたりからはどうもテレビでのコマーシャルも放映されるようなのでますます気になってくるでしょう。

 ところがこのiDeCo、実はびっくりするぐらいおトクな制度なのです。これを知らずにいると損します。そこでこのiDeCoというのが一体どういうもので、どこが超おトクなのかということについてお話をしていきましょう。(解説:経済コラムニスト・大江英樹)

年金には「公的年金」と「私的年金」があります

 iDeCoというのは「個人型確定拠出年金」と言われる制度の愛称のことです。またまたややこしい名前が出てきましたね。でも最後に“年金”という名前がついているのだから何かの年金の種類じゃないかということはわかります。その通り、iDeCoは年金の一種なのです。一口に「年金」といっても実にいろんな種類がありますが、大きく分けると「公的年金」と「私的年金」という2つがあります。

 公的年金というのは国からもらう年金のことで誰もが65歳になったらもらえる年金です。一方、私的年金というのは国以外、具体的に言えば企業や個人が自分たちで将来のために準備する年金のことを言います。
「公的年金」と「私的年金」
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「公的年金」と「私的年金」
 さらにこの私的年金は誰が準備するのかによって「職場年金」と「じぶん年金」に分かれるのです。「職場年金」というのはあまり聞きなれないかもしれません。私が今考えた言葉だからです(笑)。要するに勤め先が準備してくれる年金のことで、民間の場合で言えば「企業年金」と言われるもの、公務員の場合だと「年金払い退職給付」という仕組みのものを指します。これらは個人が自分で用意するものではなく、勤め先の会社や公務員であればお役所が社員や職員のために用意してくれているものです。言わば退職金の変形と言ってもいいでしょう。

 これに対して「じぶん年金」といえるのが、図にある「国民年金基金」と「iDeCo(個人型確定拠出年金)」というものです。このうち、国民年金基金は自営業者の人などしか利用できませんが、iDeCoは原則、誰でも利用できる制度なのです。国の年金だけに頼らず、自分の老後に備えて自分の努力で積み立てていける年金ということです。少し整理してみましょう。iDeCoとは「年金」のことです。それも自分で老後に備えるための「じぶん年金」です。そしてほぼ誰でも利用できる制度だということです。

正真正銘の「じぶん年金」はiDeCoだけ

 世の中にはこのほかにも「じぶん年金」と称している金融商品はたくさんありますが、いずれもそれらは単に商品のネーミングとして「年金」と付けているだけであって、本物の年金というわけではありません。言わばほとんどは“年金もどき”なのです。したがって正真正銘、だれでも利用できる本当の「じぶん年金」はこのiDeCoだけだと言っていいでしょう。

 ではiDeCoがなぜ超おトクなのでしょうか? 何といっても最大のおトクは「税金」が安くなることです。どれぐらい安くなっておトクになるのかは年収によって違いますが、仮に利用できる金額(これを“掛け金”といい、人によって異なりますが、年間で14万4000円~81万6000円までの間で積み立てることができます)を60歳まで目一杯利用したら、少ない人でも何十万円、場合によっては何百万円もの税金が安くなるのです。そうやって積み立てたお金を60歳以降に自分が受け取るという仕組みです。
 ではこんなにおトクな制度がなぜ急にできたのでしょう? いえ、これは別に急にできたわけではないのです。実はこのiDeCoこと個人型確定拠出年金という制度ができたのは2001年ですから、なんと15年も前からあったのです。じゃあなぜそんなおトクな制度が今まで話題にならなかったのか、そしてそれがなぜ急に昨年あたりから話題になってきたのでしょう?

 今まで15年間話題にならなかった理由、それは簡単です。金融機関があまり儲からないのでほとんど宣伝をしてこなかったからです。それでもこの15年間ぐらいの間に加入した人が28万人ぐらいはいます。でも金融機関があまり儲からないからと言って、加入する人が儲からないわけではありません。むしろ利用する人にとっては先ほどお話したような税金のメリットがたくさんあるのです。

 では、今まで15年間も話題にならなかったのに、なぜ昨今急に話題になるようになったのでしょう。それも答えは簡単、今年から加入できる対象の人が一挙に拡大したからです。2001年に誕生してから昨年までの15年間は、加入できる人と言えば、自営業や無職の人、及び民間のサラリーマンで冒頭にお話しした「企業年金」という制度のない会社に勤める人しか入れなかったのです。ところが今年から一部の例外はあるものの、ほとんどのサラリーマンや公務員、そして専業主婦に至るまで日本人であればほぼすべての人が加入できる対象になったのです。

 当然今まで積極的に宣伝してこなかった金融機関も重い腰を上げてPRを始めましたし、今までこれを扱っていなかった金融機関で新たに扱うところも出てきました。利用方法やもう少し具体的な数字のメリットはまたいずれお話するとして、話題のiDeCoは誰でも利用できるようになったのですから、まずは内容を知って検討をしてみてはいかがでしょうか。

(経済コラムニスト・大江英樹)
日本証券アナリスト協会検定会員、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、行動経済学会会員。著書に『定年楽園』『その損の9割は避けれる』(三笠書房)『老後貧乏は避けられる』(文化出版局)、最新刊に『はじめての確定拠出年金投資』(東洋経済新報社)など著書多数。

最終更新:2月8日(水)18時09分

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