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現役銀行マンが解説!銀行金利は本当にしばらく上がらない?

6月29日(月)8時30分配信 不動産投資の楽待

金利上昇の予兆は○○でチェックできる!? そもそも、銀行金利の仕組みって?
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金利上昇の予兆は○○でチェックできる!? そもそも、銀行金利の仕組みって?
今回は楽待をご利用の投資家の皆様のみならず、一般の方々も気になる住宅ローン金利決定の仕組み及び今後の動向について、現役銀行員の立場からご説明したいと思います。

まず、世の中には金利と言っても、一般になじみ深い銀行における普通・定期預金金利、住宅ローン金利やアパートローン金利から、あまりなじみがないと思われる、無担保コールレート、長・短期プライムレートなど様々な金利が存在しますが、今回は住宅ローン金利にフォーカスして、銀行金利の仕組みと、今後金利は上がるのかどうか、について解説したいと思います。

■銀行金利決定の仕組みとは?

まず、銀行の貸出金利は基本的に下記の計算式で決まります。

資金調達コスト + 銀行の運営経費及び利益 = 貸出金利

銀行のビジネスモデルは、非常に簡単に言うと低い金利で一般の方から資金(=預金)を調達し、一定の金利を上乗せして企業等へ貸し出すことにより、金利の差額で儲ける鞘取りビジネスです。

具体的に言うと、普通預金金利が0.02%とすると、企業に1.5%の金利で融資した場合、その差額である1.48%が銀行の利益(実際は銀行員の給料等の運営コストを控除する必要があるので、鞘のすべてが利益となるわけでありません)となります。

では、本題ですが、最も皆様に馴染み深い住宅ローン金利(変動金利)が、どのように決まるかと言うと、これも同様で、銀行の資金調達コストに運営経費及び一定の利潤を上乗せしたものが住宅ローン金利となっています。

ちなみに、メガバンク3行(三菱東京、三井住友、みずほ)における住宅ローン変動金利は、店頭表示金利は2.475%としておりますが、実際の貸出金利は最優遇で0.775%と完全に横並びになっております。

■アパートローンの金利が、住宅ローンより高く設定されている理由

一方で、ソニー銀行や住信SBI銀行、イオン銀行等の新興勢力については、0.5%台や0.6%台とメガバンクに比べて低い金利条件を設定しております。これは新興勢力であり、知名度がメガバンクに比し圧倒的に劣るため、低い金利を設定しなければ新規顧客獲得が難しいこと、さらに運営コスト(支店・ATM等設置コスト及び人件費等)が圧倒的に低いためです。

近年、各銀行が住宅ローンに特に力を入れており、イオン銀行、楽天銀行等の新規参入も多く見られる理由ですが、これは住宅ローンが極めて貸倒リスクが低く(貸倒率はわずか0.2~0.3%。一方で、一般法人向け融資で貸倒率は3%、カードローンでは5%超)、ほぼ確実に利鞘を稼げるビジネスであることに加え、様々なビジネスの取っ掛かりになるためです。

例えば、給与振込口座を開設してもらえば、融資実行後の借主の財政状況をモニタリングできる上、一定の余裕資金がある場合には、投資信託の販売等による手数料も狙えるというように、ビジネス拡大の糸口となるため、各行は非常に当該ビジネスに注力しております。

アパートローンや事業用ローンの金利についても、構成要素は住宅ローンと全く同様ですが、異なる部分としては、貸倒リスクが住宅ローンに比べて高くなることから、貸倒リスク分のコストが上乗せされて金利を決定しているため、アパートローン金利は2%台が一般的であり、住宅ローン金利に比し、高く設定されております。

なぜ、貸倒リスクが高いかと言うと、住宅ローンについては、住宅ローンの返済が滞ると、物件を手放さざるを得ず、「住まい」という生活基盤がなくなることから、借り手は必死で返済を優先し、最後の最後でどうしようもなくなったときにはじめて延滞・債務不履行ということになります。

一方、アパートローンや事業用ローンについては、返済できなくとも「住まい」という生活基盤を失うことはないため、住宅ローンに比し、借り手の諦めが早くなることから、貸倒率が高くなり、引いては金利が高くなるという関係にあります。

■今後、金利は上がる?

住宅ローン金利については、これくらいにして今後の金利の動向について、述べたいと思います。

私は、「2020年のオリンピックまでは、金利は上がらない。もし上がるとしても、現状から0.5%と小幅なものに留まる。」と予測しています。

「そのココロは?」と申しますと、過去10年間における金利チャートでみる短期プライムレート(住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートの変動に連動しています。)は、最大でも0.5%しか変動していないためです(最大値は2007年の1.875%、最低値は2001年の1.375%でその差は最大で0.5%)。

※無担保コールレート・・・金融機関同士が超短期の資金を貸し借りするときの金利であり、日本銀行が決定するものであることから、政策金利と呼ばれる。

※短期プライムレート・・・金融機関が優良企業に対して、短期(1年以内)で貸し出す時に適用する最優遇金利のこと。

金利の過去の推移及び今後の動向については、日本経済の景気動向及び日本銀行の金融政策と切っても切れない関係にあるということを、まずはご認識ください。

短期金利を決定している日銀の政策金利をみてみると、2001年のITバブル崩壊に伴い、ほぼ金利はゼロとなっており、その後の小泉政権下における景気回復に伴い、ゼロ金利政策が解除され、金利上昇に向かいました。

しかし、2007年のサブプライムローン問題及び2008年のリーマンショックに伴う世界同時不況を受け金融緩和を行ったこと、2012年から2013年における日銀黒田総裁の大幅金融緩和により、政策金利は0.1%以下に抑え込まれております。短期プライムレートについても、政策金利と同様に推移していることが見てとれます。

以上より、住宅ローン金利は、短期プライムレートに連動し、短期プライムレートは政策金利とほぼ同様の動きをすることから、今後の日本の景気動向及び日銀の政策がどうなるかを予測すれば、金利予測をすることが出来ると言えます。

■日本経済の動向はどうなる?

そこで、今後の日本経済の動向ですが、消費税増税(8%→10%)に伴う一時的な景気後退は見られると思われますが、2020年のオリンピックまでは建設需要が好調に推移し、外国人旅行者の倍増(1000万人から2000万人)による消費拡大も期待されていることため、大きく景気後退することは考えにくい状況です。

一方で、大幅な景気回復が見込まれるかと言うと、既に人口減少が始まっており、2020年までに対2013年実績比で▲2.5%(3百万人超の減少)が見込まれており、日本全体での大幅な景気回復は見込みにくい状況です。

以上を総合的に勘案すると、人口減少による需要・消費の減少を、オリンピック開催に伴う建設需要増加やそれに伴う景況感の回復、外国人旅行者増による国内需要の増加が上回り、小幅な景気回復傾向で推移するものと考えます。

そのため、政策金利を大きく上げるほどの景気回復は見込めないことから、結果的に政策金利は低く据え置かれることとなり、金利もほぼ変わらない、もしくは、景気が予想以上に良くなったとしても、2007年時における政策金利上昇に留まると思われます。

ただし、日本の債務残高は対GDP比で230%を超過しており、長期的には財政健全化がなされず、債務残高の増加を放置し続けた場合には、最悪の場合、ギリシャやスペイン等のユーロ諸国が経験したような大幅な金利上昇がないともいえません。

したがって、中期的には、金利変動リスクは小さいことから、住宅ローンで敢えて長期固定金利を選択するより、低い変動金利を謳歌した方がいいですが、長期的には難しい問題をはらんでおり、政治次第という側面が否めません。

最後に、今後金利上昇のサインはというと、日銀による金融緩和の解除です。前回金融緩和が解除されたのは、2006年3月であり、その影響により短期プライムレートは、1.375%から1.625%へと大きく上昇し、2007年12月には1.875%まで上昇した実例があります。

日銀の政策については、普段、投資家の皆様もそれほど関心を払われていないかもしれませんが、ローン金利に与える影響は非常に大きいので、今後留意するようにして頂ければ、一歩先を読む投資家になれると思います。
不動産投資の楽待 編集部

最終更新:6月29日(月)8時30分

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