G20で英首相が銀行への課税を提案、米国は反対の姿勢
11月8日(日)10時05分配信 ロイター
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G20の開催は、3月、9月に続き3回目。国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)を12月に控えて、温暖化対策費用の分担について白熱した議論が繰り広げられたものの、合意に向けた進展はほとんどなく終わった。とはいえ、今回は世界経済のリバランスを狙ったあらたな枠組み着手に踏み込み、2010年1月末までに相互監視のための具体的な経済計画提示にコミットした。
世界経済の回復は一様でなく、超低金利政策や巨額の財政出動という政策支援に依存しているとして、尚早な出口戦略をとらないことでも合意した。
議長国のダーリング英財務相は、G20閉幕の会見で「われわれはまだ危機を脱していない」と述べた。
ほぼ事前予想通りの結果となるなかで、最大のサプライズはブラウン英首相が銀行への課税検討を提案したことだった。
欧州では、フランスとドイツが先導する形で金融危機下で注入した公的資金を銀行に一部返還させようとする動きがでているが、英国はこれまで、重要な税収源であり経済・雇用面でも重要な位置付けとなっている金融サービス業の利益に配慮し、世界的な課税論に反対してきた。
しかしブラウン首相は7日のG20会合で、「われわれは、金融機関の社会に対する世界的な責任を反映させるために、経済的、社会的により良い契約が必要かどうか討議すべきだ」と発言。
「すでにシステミックリスク、破たん処理のための基金、一定条件下で株式などに転換される偶発的資本(contingent capital)アレンジメント、国際金融取引税などの提案がなされている」と述べ、それらはグローバルに実施されてこそ有効と述べた。
ブラウン首相は、国際金融取引税導入の可能性を国際通貨基金(IMF)が検討し、来年4月に報告することになると述べ、すでにG20としてこの問題により真剣に取り組むことで合意したことを示唆した。
「実務面、技術面で克服しなければならない大きく困難な問題をわたしは決して過少に見積もっていない。しかし、そうした問題で、わたしが話した正当な事項の早急な検討が阻まれるとは思わない」と述べた。
ブラウン首相が述べた銀行への課税について、G20当局者らは、すべての金融取引あるいは銀行の利益が対象となる幅広い課税が想定され、その資金は将来の銀行救済だけでなく、その他の目的に活用される可能性があるとの見方を示している。
金融取引税について、米国とカナダは直ちに反対を表明。ただし、ガイトナー米財務長官は、税金で救済された金融機関に金銭的負担をさせることは理にかなっている部分があるとの認識も示し「納税者が将来損失リスクにさらされないような制度を構築する必要性には同意する」などと述べた。
従来の金持ち国クラブに最近経済力をつけてきた中国など新興国を加えた20カ国の枠組みは、9月の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で新たな国際経済会議としてのお墨付きを得た。
今回の会合で、世界経済のリバランスに向けた一歩を踏み出したが、一方で人民元など通貨の問題は手付かずで終わった。
G20はこれから、向こう3─5年間の経済計画を立て、来年4月に最初の相互評価を行う。来年6月に各国首脳が検討すべき政策オプションも策定することになっている。
問題は、順守しなくてもペナルティがないとみられるそのプロセスが通商や通貨といった最大の懸案への対処に有効かどうかだ。
最終更新:11月8日(日)10時05分
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