10年3月期見通しは上向き鮮明に、中国需要増などで
10月30日(金)17時02分配信 ロイター
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[東京 30日 ロイター] 2009年度上半期の決算発表が相次ぐ中、企業業績の回復に手応えが感じられるようになってきた。中国の需要増加を背景にした輸出の復調や政府による景気対策の効果が背景にある。
ただ、企業関係者の中には需要の鈍化を読む向きが多く、第4・四半期(10年1─3月)について慎重な見方が出ている。
新光総合研究所がまとめた2010年3月期上半期(4─9月、第2四半期累計)決算集計(東証1部・除く金融)によると、29日までに決算内容を開示した245社(対象はデータ取得可能な金融を除く東証1部上場企業、全1201社で開示率は20.4%、時価総額ベースの開示率は32.6%)の10年3月期業績見通しは、経常利益増減率は26.2%減となっている。
前期に続いて減益が想定されているものの、上半期の実績が72.0%減であることを踏まえると、下半期は急速な回復が見込まれている。また、第1・四半期が84.7%減、第2・四半期が57.5%減と上向きのトレンドが読み取れる状況だ。
上向いてきた理由として大きいのは、中国の需要回復。中国向けの荷動きは海運業界の業績にも反映されており「中国は鉄鉱石輸入について1─9月に前年比36%増、石炭は1─8月に同1.5倍、大豆も1─8月に同2割増と荷動きが活発化している。中国の輸入好調が維持されるかどうかが収益を左右するが、現時点でこの面での下振れ懸念はない」(商船三井<9104.T>の青砥修吾執行役員)という。
海運業界は下方修正が目立ったが、これは「(新造船が投入が増えることによる)船腹の供給過剰を意識したため」(日本郵船<9101.T>の甲斐幹敏経営委員)で、中国向け輸送を理由にはしていない。
日米欧の景気動向が心配される中で、中国以外の新興国向けも伸びが感じられるようになっており「本格的に需要が回復した中国に加え、インドネシアなど他の新興国でも回復の兆しが出ている」(コマツ<6301.T>の木下憲治CFO)との声も出ていた。
さらに「各社の発表数字をみると、電機や自動車に上方修正が目立ったが、これは中国以外でも、日本を含め各国政府による景気対策の効果が大きく寄与した」(エース経済研究所・社長の子幡健二氏)という。
新光経済研究所によると、直近に上方修正を実施した企業について、景気対策効果、商品市況の回復、在庫調整の終了、コストダウンが寄与したと分析している。このうち、自動車など輸送用機器に関しては、エコカー減税による自動車販売の促進やコストダウン効果を要因として挙げていた。
コストダウンについては「高い時期に購入した原料がなくなり、下半期から原料安メリットが寄与する」(神戸製鋼所<5406.T>の藤原寛明専務)といった声も出ている。
ドル安/円高に振れる為替動向が収益を圧迫するケースも目立つものの、対ユーロでは、ドル/円に比べると円安傾向にあるため、ユーロ圏向け売上高が全体の4割を占めるマキタ<6586.T>のように、ユーロ高/円安を理由に上方修正する例もあった。
これら今回の決算シーズンで象徴的だったのが、ホンダ<7267.T>だ。同社は、通期業績予想を上方修正するとともに世界四輪車販売台数を329万5000台から340万台に引き上げたが、その内訳は「中国7万台、日本3万台」(近藤広一副社長)という。需要好調な中国向けと政策効果が現れた国内向けが貢献する形となる。
他方、景気対策の直接的な効果が及ばない内需型企業のグループにさえない決算が目立つ。「設備投資は日本国内での動きが見えない」(安川電機<6506.T>の武井紘一副社長)「唯一の下振れリスクがあるのは日本国内向け。(公共事業削減などで)来年度はマイナスの影響が出る可能性もある」(日立建機<6305.T>の桑原信彦専務)などの声が出ていた。
景況感の低迷は鉄道業界に顕著で、新幹線の利用が減少。「のぞみの利便性向上などに努めたものの、景気低迷の影響が響いた。とりわけ、4─6月については新型インフルエンザの影響が大きく、これが大幅な減収要因になった」(JR東海<9022.T>の金子慎常務)という。
小田急電鉄<9007.T>の早野晃司常務は「ロマンスカーの利用客が減少している。比較的景気の影響を受けにくいとされる鉄道事業にも、今回の景気悪化はインパクトを与えた」と語っていた。
食品業界からは「大手スーパーなどで惣菜品の価格が劇的に下がり、環境が厳しくなっている。消費者の節約志向の高まりから、小売り業が低価格販売を加速する中、その対応が遅れから下方修正を余儀なくされた」(ニチレイ<2871.T>の中村隆執行役員財務部長)ところもあった。
回復が鮮明になってきた輸出型産業も第4・四半期(1─3月)以降については、慎重な見方が出ている。上半期は想定よりも上振れとなりながらも、通期見通しを据え置いた企業も目を引く。
シャープ<6753.T>の浜野稔重副社長は、下半期の見通しについて「10―12月期は最大の商戦期でボリュームが上がるが、1―3月は厳しく織り込んでいる」とした。その理由は「日本のエコポイント制度は年度内は続くが、世界各国の経済政策が疲弊してくる懸念がある」としている。
TDK<6762.T>の上釜健宏社長は「中国が良くてもそれほど変わらない。やはり全体的な需要は米国がけん引する。米国が好調なら欧州にも波及するだろう。まだ回復基調にあるとは感じられず、今年のクリスマス商戦がカギを握る」とするなど、慎重な姿勢を崩さない声も少なからず出ていた。
(ロイター日本語ニュース 編集 田巻 一彦)
最終更新:10月30日(金)17時02分
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