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11年度に実質GDP+2.1%へ=日銀展望リポート

10月30日(金)16時34分配信 ロイター

 10月30日、日銀展望リポートでCPIは3年連続マイナスに。写真は都内。2008年10月撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)
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 10月30日、日銀展望リポートでCPIは3年連続マイナスに。写真は都内。2008年10月撮影(2009年 ロイター/Yuriko Nakao)
 [東京 30日 ロイター] 日銀は30日、2011年度までの金融・経済見通しを示した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を発表した。政策委員8人(1人欠員)が予測する2011年度消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の中央値は前年比マイナス0.4%となり、09年度から3年連続のマイナス見通しとなった。
 一方、2011年度の国内総生産(GDP)見通しはプラス2.1%見通しとなり、明確に潜在成長率を上回る水準まで景気が回復する可能性が高まっていると指摘した。
 展望リポートの冒頭、わが国を含めた世界経済は「昨年秋以降の金融危機がもたらしたパニック的な経済・金融活動の収縮という深刻な事態からは脱出しつつある」と、世界経済が最悪期から明確に脱しつつあることを指摘した。
 ただ、その要因は「各国当局による大規模な政策発動に支えられている面も大きい」とし、今後の世界経済は「米欧におけるバランスシート調整の帰すう、世界経済の持ち直しに大きく貢献している新興国経済の動向などに左右される」と述べた。同時に「不確実性は、ひところに比べ低下したとはいえ、依然高い状況にある」と指摘した。
 09年度のわが国経済に関しては「内外の在庫調整の進ちょくや海外経済の持ち直し、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出・生産は大きく増加した」とするとともに「政府による経済対策の実施に伴い、公共投資は増加を続けた」「厳しい収益環境や低い稼働率などを背景に、設備投資は大幅な減少を続けた」「個人消費は、各種対策の効果などから耐久消費財に持ち直しの動きがうかがわれたものの、雇用・所得環境が厳しさを増す中で、全体としては弱めの動きとなった」と総括した。
 先行きでは、09年度後半に景気は持ち直すが、2010年度は「世界経済の回復のペースが緩やかなものに止まるとみられること、国内においても需要刺激策の効果が減衰する中で、雇用・賃金面の調整圧力が残存することなどから、年度半ばごろまでは、わが国経済の持ち直しのペースも緩やかなものとなる可能性が高い」と予測した。
 その後、米欧でのバランスシート調整が進ちょくし「輸出を起点とする企業部門の好転が家計部門に波及」することが見込まれ、2011年度には「わが国の成長率は、潜在成長率を明確に上回るペースまで高まる見通し」と述べている。
 海外経済に関しては、09年度に米欧で景気が持ち直すとともに、新興国・資源国では「もともとバランスシート問題が軽微なため、景気刺激策の効果がより強く表れやすいことに加え、海外からの資本流入の影響や先進国向け輸出の回復もあって、高めの成長を維持する」と予想した。
 10年度にかけては、各国当局の景気刺激策の効果が落ちてくるものの「米欧当局はマクロ経済政策により景気回復を支えていく姿勢をとっている」と指摘するとともに「新興国においては内需が潜在的に強い」とし、2011年度にかけては「世界経済の成長率は徐々に高まっていくとみられる」と想定した。ただ、全体として成長のペースは緩やかなものに止まる可能性が高いともみている。
 注目される家計部門に関して「雇用・所得環境の改善は、企業収益の回復に遅れる傾向があるため、個人消費の持続的な回復が展望できるのは、見通し期間の後半となる可能性が高い」と、明確な回復は後ずれするとの見通しを明確にした。
 企業部門の生産増加基調は失われないとの強気の見通しを示すとともに、設備投資も徐々に回復していくと展望した。ただ、非製造業の回復は製造業に比べて遅れるとした。
 金融環境は大幅に好転し、改善の動きが広がっていると評価した。ただ、資金需要が減少しており、CP・社債市場の改善に伴って銀行貸出は弱めに推移するとみている。
 物価の先行きは、消費者物価指数(CPI)の前年比が「09年度後半には、前年における石油製品価格高騰の反動の影響が薄れてくるため、下落幅はやや大きく縮小する」と予想。10年度以降は「マクロ的な需給バランスが徐々に改善することから、消費者物価指数の前年比下落幅は、引き続き縮小していくと考えられる」とした。
 ただ、労働や設備の稼働水準の回復は緩やかであるため「消費者物価指数の下落幅の縮小ペースは緩慢なものに止まると見込まれる」と明記した。
 しかし、物価下落が起点となって景気を下押しするかどうかという点については「緩やかとはいえ、見通し期間を通じて物価の下落幅は縮小していくとみられるうえ、金融システムや中長期的な予想物価上昇率が安定していることも踏まえると、物価下落が起点となって景気を下押しする可能性は小さい」と判断している。
 リスク要因として、米欧でのバランスシート調整に言及し「家計部門を中心に、過大な債務比率を修正する過程で支出抑制傾向が長く続くことがありうる。金融部門では、信用仲介機能が円滑に働かない状況が長期化し、経済活動に対する下押し圧力が長引くリスクがある」と指摘した。
 一方で、新興国では「国際金融資本市場の改善や先進国における大規模な金融緩和は、新興国等に対する資本流入を促し、この面からも、これらの国々の実体経済を後押ししている」と分析。日本に対しては「景気の上振れ要因になる」とともに「資源価格高に伴う交易条件の悪化により、国内民間需要に対する下押し要因となる可能性もある」とした。
 こうした下で、金融政策は「きわめて緩和的な金融環境を維持していく方針である。日本銀行としては、わが国経済が物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰していくことを粘り強く支援していく考えである」と、超緩和的な政策を継続していく方針を明確にしている。
 (ロイター日本語ニュース 田巻 一彦 ;編集 村山圭一郎)

最終更新:10月30日(金)16時35分

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