強気相場は今後2年ぐらい続く。新興国市場への投資比率引き上げを――“伝説のファンドマネジャー”アントニー・ボルトン氏に聞く(上)
10月30日(金)11時03分配信 東洋経済オンライン
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――世界の株式市場を見るうえで重視する点は何か。
3つの重要な点をウォッチしている。強気・弱気相場のパターン、センチメント(市場心理)、バリュエーション(価値評価)の3つだ。
株式市場は7カ月ぐらい前にブル・マーケット(強気相場)に入った。経験則から行けば、この強気相場はあと2年ぐらい続くだろう。
センチメントについて言えば、プロの投資家の多くが依然として先行きに慎重姿勢を保っている。今年の大幅な株価回復は、そうした慎重な投資家が乗り遅れまいと株式に戻ってきたことが背景にあった。その状況にあまり変化がない。
それからバリュエーションについては、株式は歴史的に見て依然割安な状況にあり、ポジティブだ。
全体的に言えば、もはや昨年末から年初にかけてのようなバーゲンプライスの水準ではないが、上昇余地は十分にあると見ている。
――強気相場も来年にかけてかなり性質が変わってくるか。
強気相場の第一段階では、最も値下がりした銘柄が最も大きく反発する。今回の場合のリーダーは素材、工業関連株だった。この第一段階の相場は今年末ごろには終わるだろう。
次の第二段階においては、欧米諸国が短期的な景気回復から低成長に戻るにつれ、投資対象はおのずと導かれてくる。すなわち、低成長の中でも平均以上の成長を達成できる企業も投資家の注目が集まり、その株式は高いバリュエーションを得ることになろう。同様に、先進国よりも高い経済成長が可能な国々にも投資家の需要が高まるだろう。
今、私が有望と考えているのは、金融株だ。金融株は金融危機下で弱気相場を主導したが、今後は強気相場を先導するだろう。一般的に金融危機の後は、金融株は2~3年は好成績を収めている。もう一つはハイテク株。ここまでの強気相場ではあまり活躍しなかったが、ITバブルから9年が過ぎ、ハイテク株にとってよい環境となってきた。収益的にも成長力のある企業が多い。
――金融株は不良債権問題が尾を引いているようだが。
確かにそうだ。ただ、不確実性が残るという現実こそ、株価に上昇余地があると考える理由の一つだ。そうした不確実性が来年以降、晴れていくからだ。投資家はだんだん楽観的になっていくだろう。
――逆に言うと、問題が解決したときには、金融株は終わりだと?
金融株を保有するのにベストな時期は、金融危機から2~3年の間だ。ということは、あと1年かそこらということになる。その後はまた、別の魅力的な投資対象があるだろう。
――先進国よりも新興国ということだが、新興国の株価もかなり上がってきている。ここからの上げ余地は大きいのか。中国株など、一部ではバブルではとの声もあるが。
上昇の度合いは、下落幅との比較で見る必要がある。昨年まで新興国株は大幅に下落している。
[下に続く]
最終更新:10月30日(金)11時03分
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